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こんにちは、しろこです。
前日1/31の『雨にじむ渤海』に続き、2日連続での配信観劇。しかもどちらも月組。
2組に分かれての公演は、当然のことながら組としての総合力は落ちます。
でも、若手にとっては大きな役が付くチャンス。
観客にとっては、大劇場公演では注目しきれていなかった方々を知るチャンス。
劇団側にとっては、作品・スタッフ・演者すべての可能性を量るチャンス(だと思う)。そして、大劇場公演ではできそうにないこともやってしまえるチャンス(多分)。
本作、『侍タイムスリッパー』
トップ娘役が、現代の女性を、ふっつ~~~~~~の衣装(ジーンズにポロシャツにメガネ姿)で演じた作品、過去にあったでしょうか(笑)
山口馬木也さん主演の映画版が話題になり、宝塚で舞台化したようですね。
話題の映画やアニメを舞台化するのは賛否両論あると思いますが、良くも悪くも宝塚歌劇はそういうの、やっぱり得意みたいです(^_^;)
あらすじ
幕末の京都。密命を受けた会津藩士高坂新左衛門は、討幕派の長州藩士を討ち取ろうと刀を交えるが、突如雷鳴が響き渡り、眩い光に包まれる。目覚めるとそこは、現代の時代劇撮影所。遥か昔に幕府は瓦解し、侍すら消滅した現代にタイムスリップしてきたことに呆然自失となる高坂だったが、時代劇に携わる人々の人情に支えられ、“斬られ役”として生きていくことを決意する…。
宝塚歌劇オフィシャルサイトより
主な配役
高坂新左衛門:鳳月杏
江戸時代からタイムスリップしてきた侍。
山本優子:天紫珠李
時代劇の助監督。
風見恭一郎:風間柚乃
時代劇を捨てたとされる映画スター。
錦京太郎:英かおと
時代劇のスター。
井上:佳城葵
撮影所の所長。
武者小路監督:大楠てら
映画監督。
全体を通しての感想
元雪組トップの彩風咲奈さんが演じた夢介に負けずとも劣らない、朴訥としていて、人間的には非常に素敵で魅力的だけど、お世辞にもカッコいいとは言えない主人公・高坂新左衛門。
そんな高坂を演じるのは、カッコよくて恐ろしいまでの手足の長さを誇る月組トップの鳳月杏さん。
これぞ、意外性。
前作『GUYS AND DOLLS』で演じたスカイ・マスターソンの片鱗もありません(笑)
原作映画の『侍タイムスリッパー』は未鑑賞ですが、トレーラーを見たところ、舞台で観たシーンや聞いた台詞のオンパレードだったので、ものすごく再現度高く舞台化したものと思われます。
劇中曲がどれも良かったんですが、あれはすべて宝塚のオリジナル・・・ですよね?(ショーでは、水戸黄門や必殺仕事人(?)の曲が使われていました)。あと、劇中で出てきた宝塚歌劇のシーンは間違いなく宝塚オリジナルだし、、、なぜかみんなで『♪マツケンサンバ』を歌い踊ってたし、、、うーん、、、あれ?再現度が高いのは、作品の根幹に関わる部分だけか…?
時代劇の撮影監督を目指し、助監督として日々忙しく働く優子さんの「毎日仕事に追われて疲れちゃって、やりたいこと忘れてた」や、タイムスリップしてきたもう一人の侍・風見の「この時代に生きていく」など、メッセージ性の強い台詞も要所要所にありました。特に優子さんの台詞は自分の今の状況と重なり、かなり心にズシンときた・・・( TДT) そうなのよ…日々目の前の仕事に精一杯の状態だと、そうなっちゃうのよ…分かるよ優子さん。。。あの台詞を聞いて私も数ヶ月ぶりにやりたいこと(別の仕事)を思い出しました。
どんなに忙しくても、やりたいことの尻尾だけは放さないようにしたいです。。。
鳳月さん演じる高坂は、撮影所では新入りで下っ端。なので他の役者や撮影スタッフに、「おい!」とか「何やってんだ!」とか、結構キツいことを言われます。
実際は鳳月さんが上級生(しかもトップさん)で、キツいことを言う役を演じるのは下級生の皆さん。
稽古場の様子を初日から最終日まで追ったドキュメンタリーなんてありませんかね(笑)最初はどうだったのか、いつどう変わっていったのか、めっちゃ興味あります(^m^)
ケーキに心を鷲掴みにされる高坂も、テレビに驚く高坂も、優子さんへの恋心を風見に見透かされムキになる高坂も、とにかくピュアでかわいらしい^^ 刀を構えた時の姿勢や顔つきとのギャップにやられます。
役どころ的に、ということなのでしょうが、芝居巧者の風間さんの出番が少なかったのは残念(1幕では最初と最後にちょっと出るだけ)。もったいない。。。でも、少ない出番で存在感をいかんなく発揮するのはさすがです。
『ゴールデン・リバティ』で初めてちゃんと認識した英かおとさんは、『GUYS AND DOLLS』のビッグ・ジュールに続いて、なんかちょっとウザいキザ男・スター錦京太郎役。英さん、「なんかちょっとウザくて、圧が強くて、でも憎めなくて、本人はニ枚目のつもりだけど三枚目の要素がふんだんにある役」が巧い(笑)
殺陣師・関本を演じる、元月組で現専科の輝月ゆうまさんは、姿勢や台詞回しが時代劇を裏で支えるベテラン殺陣師のイメージにぴったり。撮影所の所長・井上役の佳城葵さんも、味のあるおじさん役が板についてます。
『侍タイムスリッパー』と『雨にじむ渤海』の出演者を比較した時に、芝居巧者の人を『侍タイムスリッパー』が持っていったなぁ…と思っていましたが、これはしょうがないわ(;´∀`)
先ほど「みんなで『♪マツケンサンバ』を歌い踊って」と書きましたが、センターで踊っていたのは、芝居巧者という言葉では表現しきれないタカラジェンヌの重鎮、汝鳥伶さん、夏美ようさん、梨花ますみさんの御三方。
汝鳥さんや夏美さんが踊ってるところ、初めて見ました。これも意外性。
劇中のケーキを食べるシーンで、本物のケーキを本当に食べていたのも意外性(本当に食べてましたよね??)。
でも、一番の意外性は、舞台で長時間の無音のシーンがあったこと。
長時間といっても、もしかしたら実際には1分にも全然満たない時間だったのかもしれません。
作品の終盤で、因縁の相手である高坂と風見が刀を交える前の睨み合い。
鬼気迫る演技に、観客は固唾をのんで次の展開を待ちます。
画面越しに観ていてもそうだったんだから、あの時の劇場全体の張り詰めた空気感は相当だったと思います。大楠てらさん演じる武者小路監督が「映画史に残る画が撮れる」と言っていましたが、舞台史に残ると言っても過言ではないシーンでした。
『侍タイムスリッパー』と『雨にじむ渤海』という2つの時代物(と言っていいかは分からないけど)でさらに力を増した月組。次回の大劇場公演『RYOFU』、期待しています!












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