~満を持して~宝塚歌劇月組公演『グレート・ギャツビー』(2022/10/9@楽天TV)【観劇レポ/感想】

宝塚レポ

本記事には公演のネタバレを含みます。

今でもはっきりと覚えています、2022年7月29日の朝のことを…。

そろそろ出掛ける準備を始めようとしていた時に来た、宝塚の公式LINE。

『本日の公演は中止させていただきます』

いやー、凹んだ。ほんっと凹んだ。LINEの画面を見てしばらく固まりました。

どの公演も観たいけど、月城さん率いる月組の『グレート・ギャツビー』は特別観たかったんだよぉぉぉぉ。。。

こんにちは、しろこです。

もーね、あれはほんっと凹んだんです(←まだ言うか(ーー;))。

蓋を開けてみれば、大劇場で公演できたのはたったの10日。終わったばかりだけど、再演してください(切実)。と思ったところで、月城さんがトップの間に再演することは現実問題としてないでしょうね。。(T_T)

東京公演千秋楽のライブ配信、やっぱり大きな舞台で生で観たかったと思わせてくれる内容でした。

本記事には公演のネタバレを含みます。

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あらすじ

1920年代、第一次世界大戦後のアメリカ。社会が大きく変貌を遂げる中、禁酒法などどこ吹く風の豪邸がある。館の主は謎の資産家ジェイ・ギャッツビー。彼はニューヨーク郊外のロングアイランドにあるこの館で、誰でも出入り自由の絢爛なパーティーを夜毎に催していた。ミネソタ州からギャッツビー邸の隣に引っ越してきた堅実なサラリーマンであるニック・キャラウェイは、その華やかさに驚きを隠せない。パーティーの翌朝、海を見つめるギャッツビーを偶然見かけ挨拶を交わしたニックは、ギャッツビーから対岸のイースト・エッグに“永遠の恋人”が住んでいることを聞かされる。対岸には、ニックの又いとこであるデイジー・ブキャナンと、彼女の夫でニックの旧友のトム・ブキャナンが住んでいた。そのデイジーこそ、ギャッツビーが長年想い焦がれていた女性だったのである。かつて恋人同士だった2人は、家柄が釣り合わないことを理由に、デイジーの母から仲を引き裂かれていた。戦地から復員したギャッツビーは裏社会で巨万の富を築き、デイジーの家の対岸に自分の家を建て、誰が来ても構わないパーティーを開き続けた。彼女との偶然の再会を期待してーーー。

主な配役

ジェイ・ギャツビー:月城かなと
謎の資産家。

デイジー・ブキャナン:海乃美月
名家の娘。ギャッツビーの元恋人。トム・ブキャナンの妻。

トム・ブキャナン:鳳月杏
デイジーの夫。大富豪。愛人を抱えている。

ニック・キャラウェイ:風間柚乃
ギャッツビーの隣人。ギャッツビーとデイジーを繋ぐ唯一の接点。

マイヤー・ウルフシェイム:輝月ゆうま
裏社会の顔役。復員後無一文となっていたギャッツビーを見出す。

ジョージ・ウィルソン:光月るう
ガソリンスタンドの経営者。妻はトムの愛人。

ジョーダン・ベイカー:彩みちる
デイジーの親友。全米女子ゴルフ・チャンピオン。ニックと恋仲になる。

ヘンリー・C・ギャッツ:英真なおき
ギャッツビーの父。

全体を通しての感想

実によくできたミュージカル。

小池修一郎バンザイ。

個人的には、『演出:小池修一郎』と聞くと、「あ、この作品は間違いないな」と思います。脚本ありきではあるけれど、演出家の手腕はそれと同じぐらい(もしかするとそれ以上に)重要。

舞台は一度きりの生ものですから、引っ掛かりがあると、観てる側はものすごくモヤッとしちゃうからねぇ。。(←宝塚でしょっちゅうモヤッてます)

そして月城ギャッツビー、バンザイ\(^o^)/

月城さんがトップになるのを待って、『グレート・ギャツビー』を再演することにしたんじゃないかと思ったぐらいです(元雪組トップスターの望海風斗さんに『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』を持っていったのも、満を持してのはず)。

初登場シーンでスポットライトが当たった瞬間に、「これよ、これ♡」状態でした。品と翳が共存する役は、月城さんの十八番!(意見には個人差があります)

前、横、後ろ、いずれを向いている時でも、立ち姿に隙がない。ちょっとした顔の傾け方や視線にも隙がない(贔屓目入ってます)。

はあ・・・♡(説明放棄)

裏社会で巨万の富を築いてきたギャッツビーですが、ドラッグの密売だけは絶対にしないという真面目さがあります。

そしてその真面目さゆえに、裏社会から切り捨てられます。

ギャッツビーの拾い主で最終的に彼を切り捨てる、暗黒街の顔役ウルフシェイム。元月組生で現在は専科生の輝月ゆうまさんが演じていらっしゃいます。

下級生の頃から背が高い(177cm)ことで認識はしていましたが、『雨に唄えば』のリナ・ラモント役で見る目が一転。とんでもないカメレオン俳優です(@_@;)!!

ウルフシェイムは、見た目はいかついけれど、喋り方や動き方は、いわゆる絵に描いたような悪役ではない。でもその中に、凄みと、掴みどころのなさと、不要と分かればバッサリ切り捨てる非情さが見て取れる、どこか色気のある悪役です(ショーン・ペンとかアル・パチーノとかに似合いそう)。

何から何まで、リナを演じた人とは思えない。。場面を引き締める存在感でした。

トムにギャッツビーの素性を暴かれ、動転したデイジーは車を暴走させ、飛び出してきたウィルソンの妻をひき逃げして死なせます。

運転していたのは自分だと、彼女の身代わりとなったことで、ギャッツビーは復讐に狂ったウィルソンに射殺されます。

この撃たれた後の月城さんの倒れ方が、ドキッとするほど自然でした。
私の中での倒れ方No. 1は、『マノン』でレスコーを演じた星組の天飛華音さんだったのですが、月城さんの倒れ方も負けていません!(贔屓目入ってます)

ギャッツビーの葬儀の日、旅行に出て葬儀には来ないと思われていたトムとデイジーが、車で墓所に乗り付けます。

ギャッツビーの墓に一輪の花を手向ける・・・というより、無造作に投げるデイジーと、それを離れた所から見つめるトム。

葬儀に一瞬でも来たのは、自分たちの保身のために警察に真実を伝えなかった後ろめたさがそうさせたのかもしれないけれど、2人ともギャッツビーに対する感謝や同情、哀れみの感情は少なからずあったからなのではないでしょうか。そして何より、これであの男とは決別するんだという冷たく固い意思を感じました。

デイジーもトムも、悪人ではないけれど、さりとて善人でもない。トムは愛人を抱えて道楽三昧。デイジーに対しては、愛というより執着というか、アクセサリーとでも思っているような感があります(まぁ、冷静に考えると、ギャッツビーのデイジーに対する常軌を逸した執着に比べれば屁でもないけど:苦笑)。

母親にギャッツビーとの仲を引き裂かれ、『女の子はバカな方がいい』『考えることを知らない ただのバカな女の子になるわ』と歌ったデイジーは、本当にバカな女になってしまった。

ベイカーも、ほとんどの場面では善人だったのに、最後の最後でのニックの捨て方が酷かった。ウィルソンは善人すぎて闇に落ちた。

ストーリー展開は、現代の感覚からすると「だからって何でそうなるのよ」と思う部分が多々あるものです。映画『ミスティック・リバー』並みの後味の悪さを感じました。

そんな登場人物たちの中、唯一最初から最後まで普通の感覚を持っていたのがニックです。狂言回しという立ち位置ではありませんが、ニックがいることで、観る側の心の均衡が保たれているようでした。

また、最後の最後で登場するギャッツビーのお父さん。出演時間も短いし、台詞もそんなにあるわけではなかったものの、息子を誇らしく語る様子からギャッツビーの真の姿が垣間見え、涙が出てきました。最後で英真さんに全部持っていかれちゃった。。(ノД`)シクシク

ギャッツビーは、根っこの部分では真面目すぎるぐらい真面目で不器用な男だったのだと思います。

それにしても英真さん、雪組『CITY HUNTER』を降板されてからずっと気になっていたのですが、また舞台で拝見できて良かったです(;_:)

大劇場公演はほぼ中止。実際に舞台に立って役を深める機会が極めて少なかったと思いますが、誰を見ても全くそんなふうには見えませんでした。東京公演は予定されていた全公演無事上演。本当におめでとうございます(感泣)

退団者の挨拶が終わり、晴音アキさんと夏月都さんの背中にずっと手を置いていた月城さん。最後のカーテンコールで緞帳の前に一人出てきたときの言葉や表情が本当に嬉しそうでした。

次は全国ツアーの『ブラックジャック』

私が持っている宝塚の最古の記憶は、何を隠そう花組・安寿ミラさんの『ブラックジャック』です。いつの作品かと思ったら、1994年。なんと28年前!!!!!!!!!! 当時のしろこ・・・なんと9歳(歳がバレバレ(;´∀`))。母親に連れられて、香川から日帰りの団体旅行で行きました。まだファミリーランドがあった頃です。

2013年に雪組で再演された未涼亜希さんの『ブラックジャック』も素敵でした。

月城さんの『ブラックジャック』も絶対素敵だと思います! それに何より、作品自体がいい!
案の定チケットは取れませんでした。。どうか配信してください。。(T人T)

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