2011年の春に転職しました。研究室の秘書でした(今の職場ではありません)。
働き出してすぐ、「なんだこいつ(上司)は・・・」と思いました。
わがまま放題に育てられたお坊ちゃんがそのまま大人(50代)になった感じ。絵に書いたようなお山の大将。外面だけは異常に良く、総務の人たちにはわりと人気がありました。
研究室のスタッフは、もちろんボスがそういう人間だと知っているので、事あるごとに「最近どう?大丈夫?」とか「あの人は人の気持なんか分からないから」と気にかけてくれました。そういうボスだからか、スタッフ間の妙な連帯感みたいなのはありました。
「飛行機が落ちて、出張から二度と帰ってこなければいいのにって思ってます」と私が毒づくと、「あの人はどうなってもいいけど、他の人を巻き込んじゃダメだよ」と真顔で返されたこともあります。
これ以上の詳細は割愛しますが、そんなこんなで辞めたいと思うようになるまで1ヶ月とかかりませんでした。
顔を見るのも声を聞くのも存在を感じるのも嫌。
秘書とは、上司と他のスタッフの緩衝材のようなもの。秘書と上司の間にクッションはありません。なので、合わないと悲惨です。
今思えば、あれだけ心底辞めたかったんだからとっとと辞めればよかったのに、、、なんですが、これは病気が治ったから思えること。
「パワハラで自殺」とか「過労自殺」というニュースがあると、「何で自殺するほど追い詰められるまで働くの?辞めればいいじゃん」と言う人がいます。
そうなんです、その通りなんですけど、追い詰められた人にはそれができないんです。
私の場合は考え過ぎでした(これも「今思えば」です)。
ちょうど東日本大震災があった年だったので、
被災した人たちに比べれば、こんなの全然大したことない、とか、
他の人はいい人だから、辞めたらこの人たちが困る、とか、
ただでさえ年の割に職歴多いのに、短期間で辞めたら次の仕事見つからない、とか、
とにかく「辞めない理由」を考えていたように思います(この時点で正常な思考ではないんですよね、今思えば…)。
要するに、自分で自分を騙してたんです(しつこいようですが、今思えば…)。
その頃の症状といえば・・・
働き出して2~3ヶ月ぐらいで夜寝られなくなりました。体は寝たいのに、脳が寝かせてくれない感じ。
他にもこんな↓症状が。
・食欲がなくなる
・体の力が抜けなくなる(当時は自覚なし)
・好きだった香りを受け付けなくなる
・常に体に痛みがある
・なぜか涙が出てくる
・通勤電車の中で涙が出て止まらなくなる
・帰宅して玄関を閉めた途端、叫ぶようになる
・テレビや本の内容が頭に入ってこなくなる
・簡単な計算ができなくなる(レジで「1520円です」と言われても、いくら出せば足りるのか分からない)
でも、職場の建物に入るとスイッチが入ったように普通になる。涙は止まるし、話もするし、ごはんも食べるし、それなりに集中力もある。
だから、今思えば明らかにおかしかったのに仕事には行っていました。「これじゃいかん!」と思って自己啓発系の本を読んで、『嫌な人でも良いところが必ずあります。良いところを探しましょう』とか無責任なことを真に受けて探そうとしてみたり。
この頃の私にとって、自己啓発系の本はただただ「害」でしかありませんでした。気持ちの持ち方とか接し方とか、とにかくなんとかしようと思っていろいろ読んで実践しようとしたり実践したりしましたが、その度に「ダメ、無理・・・」となりさらに落ち込むという悪循環でした。自己啓発系の本がプラスに働くのは、気力・体力とも余裕のある(せめて「かろうじて」でも)人です。弱りきった状態の人は読まないほうがいいと思います。
ある朝、起きられなくなりました。
体が布団に沈んでいって離れない。起きようと腕をついてみても、支えきれずバタッとなる。「重力を感じる」と言ったらいいのでしょうか。
自分に何が起きてるのか分かりませんでした。
なんとか体調不良で休む旨のメールをし、動けるようになるまで様子見。翌日の朝は、体の重さは残っていたものの動けたので出勤。
また動けなくなり休む → 動けたので出勤する を数回繰り返していると、出勤したときに上司に呼ばれ、「最近よく休んでるけど、体調不良は当日にならないと分からないのか」と言われました(今なら、「ったりめーだろが!」と言う勢いがある:P)。
後になって聞いた話ですが、母曰く、「そっちに遊びに行って、数ヶ月ぶりに会った娘の顔つきがあまりに変わっていて心配になった」そうです(「今の職場ハズレやわ」みたいな話は軽くしていたものの、詳細は言ってなかったはず。。)。
たしかに、職場以外の人(状況を知らない人)に会うと決まって「疲れてる?」「しんどい?」って聞かれてたし、自分でも、鏡に映る自分のかを見て「顔、死んでる・・・」と思った記憶があります(目が据わる、顔色が悪い、生気が感じられない、みたいな顔)。
また、知らない人によく道を尋ねられていたのですが、そういえばこの頃から数年間は一切尋ねられなかった気がします(今ではまた尋ねられるようになりました)。
目に見えて様子がおかしい人がいたら、軽くでもいいので声をかけてあげてください。
あなたの何気ない一言で救われることもあります。
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