~礼華さんの新たな魅力~宝塚歌劇月組公演『雨にじむ渤海』(2026/1/31@楽天TV)【観劇レポ/感想】

宝塚レポ

※本記事には広告が含まれています。

本記事には芝居の若干のネタバレを含みます。

こんにちは、しろこです。

実は今年から、観劇ブログを書くのは生観劇した時だけにしようと思っていました。

なので、とても気楽に観始めた月組バウホール公演『雨にじむ渤海』

しかし、開演直後から良質な映画並みに惹き込まれ、、、

これは書かないわけにはいかんっ!!(メラメラ)

生観劇はしたものの、何を書けばいいんだと手が動かなかった星組大劇場公演『恋する天動説』のレポを無理やり書き上げ(雑)、いざ、『雨にじむ渤海』へ!

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あらすじ

渤海(パレ)。海東の盛国と呼ばれた幻の国は、隣国・契丹に攻め込まれ、滅びようとしていた…。
その国の最後を見届けた王の名を、テ・インソンと言う。

時は10世紀、渤海。王であるインソンは度重なる暗殺の危機に見舞われていた。彼を暗殺しようとしたのは、妻である王妃ウンビンの弟。インソンは躊躇なく義弟に死罪を命ずる。幾度となく人に裏切られ、命を狙われてきた王の目は冷たく、孤独に歪み、人々から恐れられていた。
ある晩、王宮への帰路。インソンは、何者かに谷底へと突き落とされてしまう。市井の民・セウォンに助けられ、一命を取り留めた彼は、王宮へ戻らず、身分を偽り、民と変わらない生活を営み始める。命を奪われる恐怖から解放されたインソンは、セウォンの生き方に触れ、その温かさに心溶かされ、二人は次第に心を通わせてゆく。一方、王の訃報を受けとった王宮では、権力争いが激化していた。夫を亡くした王妃ウンビン、国の実質的な政治を司る執政、隣国・契丹から忍び込む間諜の影…人間の私利私欲が、渤海という国を滅亡へと追い込むのだった。そして、自国が沈みゆくことを知ったインソンの、王としての人生が再び動き出す。

宝塚歌劇オフィシャルサイトより

主な配役

テ・インソン:礼華はる
渤海の王。

セウォン:彩海せら
渤海の民。橋から落とされたインソンを助ける。

ウンビン:乃々れいあ
王妃。

ムクチョル:夢奈瑠音
執政。インソン暗殺を企む。

耶律阿保機(やりつあぼき):一樹千尋
契丹(きったん)の王。

耶律突欲(やりつとつよく):瑠皇りあ
契丹の王子。

キョン:七城雅
ウンビンの護衛武者。

全体を通しての感想

前述した『恋する天動説』と違い、本作『雨にじむ渤海』は、ポスターを見てあらすじを読んだ時から、非常に興味をそそられておりました。

でもバウホール公演のチケットなんて、庶民にはどうしたって手に入りません(T_T)

舞台はナマモノ。配信してくれるのはありがたいけど、残念ながら場の空気感は画面を通しては伝わってこない。

そう思ってはいたものの、なぜかこの作品はどーしても観たかったんです。何かに(何に?)呼ばれたのかと思うくらいに。

礼華はるさんも彩海せらさんも元々好きではあったけど、キャストよりも芝居の内容に惹かれたのかな。

「宝塚のオリジナルは当たりハズレが大きい」という持論があるけど(悲しいかな、ハズレのほうが多い)、これは絶対イケるぞ!!(=私好みだぞ)としろこのアンテナが反応。

オリジナル作品が作れる人、いたー!!━━━━(゚∀゚)━━━━!!

平松結有氏!

作品の雰囲気が、2015年雪組の『星逢一夜』のようでした。第二の上田久美子氏ここにあり!(意見には個人差があります)

主演の礼華はるさん、大劇場公演では、どこか抜けていたり、お茶目だったり、明るい役が多かったけど、今作では冷酷な王で魅せてくれました。

月組には、輝月ゆうまさん(現専科)や大楠てらさんがいるから、礼華さんのことを飛び抜けて長身だとは思っていなかったのですが、178センチあるんですね!
宮廷服に長髪という衣装も相まって、座っていても立っていてももちろん動いていても、そこにいるだけで他を圧する存在感。玉座から臣下を睥睨する表情は、これまで見たことがないものでした。

セウォンと出会ったことで心境に変化が生じ、目に優しさや迷い、とまどい、意志を宿すようになるインソン。
配信で観劇していたこともあり、わずかな変化もよく分かりました。生観劇だと、細かいところまでは見えなくても空気で分かったはず。

冷酷な王といっても、冷酷にならざるをえなかった背景があるからであって、最初から冷酷だったんじゃないんですよね。
そのあたりのことも、短時間ながら過去シーンとして描かれていました。冷酷になってからも、刺客に襲われた時にウンビンだけを逃がそうとしたり、「そなたは強いな」と静かに褒めたり、インソンが本来持っている優しさの片鱗が見えて、そりゃウンビンからしたら、愛の無い結婚だったとしても、たとえ信じてもらえなくても、「あの時彼に恋をした」となりますわね(*´ェ`*)ポッ

1幕を意外な形で終わらせてからの、2幕冒頭でのどんでん返しに、インソンとセウォンに流れる対象的な時間の見せ方。

舞台割も照明の当て方も演出も、これ以外にないと思うくらい絶妙でした。
セウォンの時間を見せている時は、もちろんセウォンの方に照明が当たるのですが、照明が当たっていない(でも真っ暗ではないので見える)インソンの背中がどこか悲しげで、顔の表情まで伝わってくるようでした。

皆が誰かを想う。
でも、想いのベクトルが違うのが切ない。

インソンとセウォンが互いを想うのは、「男同士の友情が芽生えたから」という単純なものではないことは明らかです。
強いて言えば「魂の伴侶」というやつでしょうか。もしかしたら、「ボーイズラブ」と捉える人もいるかもしれません。

本編後のショーのデュエットダンスは、礼華さんと乃々さんの男役・娘役のカップルではなく、礼華さんと彩海さんの男役・男役のカップルで、それでいて振りが男役と娘役のデュエットダンスっぽかったのは、何かの暗示だったのでしょうか…?

全体を通して、台詞は決して多くありません。その分、終盤でインソンがセウォンに対して言う「お前になら裏切られてもいいと思った」のように、感情が凝縮された台詞が多かったように思います。

一見するとハッピーエンドに思えなくもないですが、インソンはきっと命を狙われ続けるでしょう。
渤海から別の国へ逃れる民も、無事にたどり着ける保証はありません。

観客の想像力を刺激する作品や、観客に解釈を委ねる作品、大好きです。
大河小説の読後感のように、観劇後は数日間、余韻に浸りました(礼華さんがものすごく素敵だったからという理由も大きい)。

物語のスケールでいうと大劇場でもいけそうな作品だと想うのですが、小劇場だからこそ演出の妙がハマったのかもしれません。
もう少し内容も登場人物も膨らませたら、『蒼穹の昴』のような超大作になる・・・かも?

次の月組大劇場公演は『RYOFU』

オフィシャルサイトによると、「三国志演義を踏襲」だそうです。

つまり、舞台は今作と同じく古代中国!

登場人物には武将が多い(はず)!!

こんなに楽しみ&期待大な作品は、いつ以来か分かりませんっっっ!!!

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