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こんにちは、しろこです。
2025年最初の生観劇は、東京サンシャインボーイズの『蒙古が襲来』

『ショウ・マスト・ゴー・オン』『オデッサ』を経て、私にとっては3作目の三谷作品。
(宝塚で舞台化された『記憶にございません!』も含めると4作目)
プレイガイドのメルマガで上演情報を知り、出演者一覧を見て驚愕し、「『30年の充電期間』を経て三谷幸喜主宰のあの劇団が待望の復活!」という触れ込みに感嘆し、ポチッ(先行抽選に申込み)。
1994年に劇団が活動休止宣言した時に「次回公演をもちまして、30年の充電期間に入ることになりました。2024年、老境サンシャインボーイズ第1回公演(「リア玉(仮題)」)をどうぞお楽しみに」と言っていたというんだから、これまたすごい…。
というわけで、仕事もプライベートもなかなかに大変な状況ではあるのですが、ワクワクしながらいざ京都劇場へ!
あらすじ(?)
時は鎌倉、対馬の漁村。昨日と変わらぬ穏やかな一日。
異国の襲来が目の前に迫っている事を、彼らはまだ知らない。PARCO STAGEオフィシャルサイトより
出演者
相島一之/阿南健治/伊藤俊人/小原雅人/梶原善/甲本雅裕/小林隆/近藤芳正/谷川清美/西田薫/西村まさ彦/野仲イサオ/宮地雅子/吉田羊
上演時間
【開演】13:00
【終演】14:55
※1時間55分。途中休憩なし
感想
三谷作品が上演される時は、開演前のアナウンスもお楽しみのひとつ。
今回はなんと、山寺宏一さんが担当されていました。
アナウンスの最後に「山寺宏一でした」と言った時は、ロビーで「おー!」とか「ああ!」という声が上がりました(「この声、どこかで聞いたことがあるけど誰だっけ…?」ということですかね:笑)。
ちなみに今回は終演後のアナウンスも豪華です(戸田恵子さん)。観劇に行かれる皆様、お聴き逃しなさいませんように♪
さて、肝心の作品は・・・
・・・?
えっと・・・
んっと・・・
・・・何これ。
と思うこと1時間30分。
上演時間は1時間55分。
最初の15分は「これからどういう展開になるんだろう」という期待。
期待・・・
期待・・・
・・・あれ?
どうするよこれ・・・
(1時間30分経過)
( ゚д゚)ハッッッ!l
最後の10分のためにそれまでの1時間45分があると言っても過言ではありません。
『衝撃のラストシーン』という表現は、この作品のためにこそあるんだと思います。
それが証拠に、これまで観た三谷作品に比べると、終演後の観客のおしゃべりが随分少なかったです。
突然地獄に突き落とされたような、大海の孤島に独り取り残されたような、そんな感覚を覚えるクライマックスでした。
途中の展開がどうであれ、最後まで大人しく観劇する国民性があるから上演できる作品。多分海外で上演したら、途中で大多数の観客がつまらないと思って帰るんじゃないかなぁ。。
漁村を舞台に、ひたすら他愛もない話が続く。
錚々たる役者が顔を揃えているので、それぞれの演技に味はあるんだけど、それ以外に特筆することもない。
ラストを知ると、それがかえって胸に刺さる。
「いつか」はない。「いつか」は「今」
ユーモアを交えつつ、現代を痛烈に風刺しているような作品です。
一部の者だけが肌感覚で気づくこと。
正常性バイアスの働き。
公開される情報とされない情報。
臭いものに蓋。
当事者意識の欠如。
何(誰)が善で何(誰)が悪か。
誰かが死ぬ。それが名もなき民だったとしても、その人がこの先数十年生き続けていたら、世界を変えるような発明をしたかもしれない。
21世紀に新たな戦争が始まり、戦争の火種はそこかしこに転がっています。
島国ゆえか、日本人はなんとなく戦争は遠い異国の話と思いがち。
それはどうやら昔から変わらないようです。
変わったことと言えば、鎌倉時代のように木造船ではるばる海を渡ってこなくても、安全な場所からミサイルを打ち込めるようになったこと、サイバー空間で攻撃できるようになったこと、偽情報で人を操れるようになったこと、などでしょうか。
「時は鎌倉、対馬の漁村。昨日と変わらぬ穏やかな一日。
異国の襲来が目の前に迫っている事を、彼らはまだ知らない。」
違うのは時代と場所だけ。この短い作品紹介は、今を生きる私たちへの警鐘なのかもしれません。
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