退職の決意と症状の悪化【うつ病体験記④】

うつ病体験記

働き出してから初めて帰省したとき、父に

「しろこ、仕事辞めろ。もう明日から来ません、でもええから次仕事行ったら言うてこい」

と言われました(母から、仕事がイマイチということは聞いてたっぽい)。

祖母にも「お前その顔どしたん・・・」と言われました。

ちなみに父は、私が中学で登校拒否してた頃、「学校行け!」と怒鳴ったり殴ったりして無理やり行かせようとしていた人です。そんな人がそんなこと言うなんて、どんな顔してたんでしょうね、私。

おかげで「あ、辞めていいんだ・・・」と思えました。

退職の意思表示は本来なら直属の上司に言うべきこと。そんなことは分かってます。でも、とてもそんな精神状態ではなかったので、人事の人(採用手続きの担当だった人)に言いました。

「ご相談があるんですが、お時間よろしいですか」とメールしたら、即効一対一で面談の場を設けてくれて、「いや、実は上司と合わないからって辞める人、結構いるんです…」と言われました(特殊な狭~い業界なんでね。。)。

その日のうちに上司に呼ばれ、「人事から聞いたんだけど、僕に不満があるのか?」と詰問。

辞めることを決めて人事に伝えてから、どこか腹が据わった状態になっていた(多分)私。一点を見つめたまま、無感情で答えた気がします。私の答えに上司は怒りで震えてた気がします。

なぜ「気がします」が多いかというと、ちょこちょこ記憶が欠落してるんです。「昔の出来事を忘れる」という状態ではなく、記憶障害のような感じ(「数ヶ月ぶりに上京してきた母と会ったこと」(うつ病体験記③参照)はなんとなく覚えているのですが、「会って何をしたか」は記憶がありません)。

在職期間6ヶ月弱。人事の人の計らいもあり、有給休暇を全て消化して退職しました。ストレスの原因ははっきりしていたので、辞めたら異様な症状は治ると思っていました。

が、想像していた以上に身も心も蝕まれていたようです(この時点では、自分がうつ病だとは思っていませんでした)。

一番酷いときの症状は、「心臓を鷲掴みにされて揺さぶられている感じ」でした。

怖いとか痛いとか、そういうはっきり表現できる状態ではなく、「見えない何かに支配されている感じ」とでも言うのか、後にも先にも、あのときしか感じたことのない感覚です。

「ここから飛び降りたって、下手すりゃ寝たきりになるだけやんな」と思ったり、
駅のホームからふわっといきそうになったり、
内容は分からないけど、誰かが何か喋っている声がずっと聞こえたり。

それまで、飛び込み自殺は迷惑なものだと思っていました。

事件を起こして逮捕された犯人が「殺せという声が聞こえた」と供述している、と聞くと、「何を言うとんねん」と思っていました。

でも、どちらも決して肯定はしませんが、「そういうこともあるかもしれない」と思うようになりました。

もう一度言いますが、だからといって肯定はしませんし、肯定はできません。ただ、「ニュースになるのは自分だったかもしれない」そう思うだけです。

私の場合、感情のコントロールが効かなくなっても、脳が暴走しても、自分の右斜後ろ45度あたりに妙に冷静な自分が顔を出すことがあったので、最悪の結果にはなりませんでした。

「うつ病は心の風邪」という表現をされることがありますが、風邪なんかじゃありません。ガンとか脳卒中とか、もっとそういうものだと思います。なりやすいタイプの人はいるかもしれないけど、なったら「え、まさか自分が?!」と思うと思います。

自分がうつ病になったとき、ゆるく連絡を取り合っていた前の職場の上司に「そんなに弱かったっけ?」と言われました。叱咤激励のつもりだったのでしょうが、今でも若干根に持っています(苦笑)(うつ病になるのは弱いからじゃない!と声を大にして言いたい!!)

私は明らかに顔つきが変わったので、気にかけてくれる人がいたことが救いとなりました。ですが、中には見た目では分からない人もいます。口数が少なくなるとか、上の空でいることが多くなるとか、そういったような変化もなければ、正直、周りが気づくことは難しいと思います。私ももし見た目の変化が起こらなければ、相手の負担になることを考えてしまって自分からは誰にも相談できなかったと思います。なので、もし周りに自死された方がいらっしゃったとしても、自分を責めないであげてください。。

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