2021年 第73回正倉院展レポート

展覧会

完全予約制だったということで、初めて行った昨年2020年の正倉院展。

それに味をしめ、今年も行く気満々でチケットをゲット!

こんにちは、しろこです。

昨年、「来年も完全予約制だったらいいなぁ。。」と思っていました。
無事(?)、今年も完全予約制\(^o^)/

情報解禁になってから、カレンダーにばっちりチケット発売日時をメモ_φ(・_・ 今年は会期中に行ける日が2日しかないことがわかっていたので、気合入れてチケット取りました!

が、ですよ、行く数日前になって、自分で書いた昨年の正倉院展レポートと、今年の公式サイトを見ていて衝撃の事実が発覚したのです。

時間枠ごとのチケット発売枚数、昨年は約260枚、かたや今年は約500枚。うそーん。。( TДT) 単純計算で、昨年より2倍混雑してるってことですよね・・・。いくらコロナが落ち着いたからって、そりゃないよー。。

昨年、大阪の某美術館で開催された某展覧会の悪夢ふたたび。完全予約制とは名ばかりの大混雑が頭をよぎりました(恐)

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基本情報

会期:2021年10月30日(土)~2021年11月15日(月) ※会期中無休
時間:9:00~18:00 ※金土日祝は~20:00。入館は閉館時間の60分前まで
場所:奈良国立博物館新館(奈良県奈良市)
料金:一般2,000円、学生(中高大)1,500円

完全予約制。当日券の販売なし。2020年は各種パスを持っている人や各種友の会会員は割引がありましたが、今年はありませんでした。

チケット情報

発売日時:9/25(土)10:00
発売場所:ローソンチケット(先着順)

2020年は複数プレイガイドで販売されていましたが、今年はローソンチケットのみの取り扱い。今年も電子チケットはありません。必ず事前にローソンもしくはミニストップで発券が必要です。

11月に入ってから来たローソンチケットのメールマガジンに『正倉院展チケット発売中』と書かれていたので、「え、残ってんの?!」と思ってサイトを確認したら、最終日の最終枠だけ残っていました。それはそれで、ある意味おいしいかも(笑)

待ち時間・混雑状況

2020年は、入場開始時間の30分前から建物裏手の待機列に並ぶことができました。当然今年もそうだろうと思い、30分前に会場に到着(11/13(土)11:00の枠を取っていました)。

しかし、昨年あったような待機列(簡易テントというのかな?支柱+白い屋根のやつ)がない (・・∂) アレ?

警備の人に聞いたら、「入場開始時間の10分前から並べる」とのこと。

「去年より来場者が多いのに?」と思ったものの、たしかに並んでいる人もいなかったので、会場横の特設ショップをのぞくことに。

特設ショップを一通り見て、ふと建物の方に目をやると・・・

並んどるがなっ!!

それが、入場開始時間の20分前の話。

一緒に行った友人と、「え、でも、並べるのは10分前からって言ってたよね…?」とボソボソ言ってる間に待機列に並ぶ人が増え始めたので、15分前に並びました。

で、10分前になったら、待機列がゾロゾロ動き出し、会場入口で再度待機。

えっと・・・警備の人の説明、間違ってませんか(-“-)

「待機列にはもう並べます。10分前になったら入口まで移動します」が正しい情報でしょうが!

昨年に引き続き、スタッフ教育がなっとらん!頭数を揃えればいいってもんじゃないの!

昨年は、待機列に並んでいるときに、スタッフの人が検温とチケット確認に回っていました。一方今年は、待機列が入口まで移動するときに、検温とチケット確認を受けました(検問みたいな感じ)。

チケットは入場するときにも再確認されるので、しまってしまわないようご注意ください。

あと、昨年はアルコール消毒必須でした。今年も必須だったとは思うのですが、昨年のようにスタッフの人が手指消毒を呼びかけることもなく、消毒液も微妙な位置に置かれていたので、スルーする人もいたんじゃないかなぁ。

会場の奈良国立博物館新館、非常に横に長い建物です(下図参照)。

奈良国立博物館新館(出典:写真AC)

写真右端が10分前までの待機列の先頭、中央付近の入口が10分前からの待機列の先頭になります。

入場開始時間の数分前には、入口から折り返しの待機列が5本ほどできていました。一応ソーシャルディスタンスということで、壁に近い方の列には立ち位置を示すシールが貼られていましたが、200人ぐらいは並んでたんじゃないでしょうか(お連れさんとは一緒に並べます)。

入場は、入口付近の混雑を避けるためか、2~30人単位で一旦ストップをかけていました。最初のグループで入れたので、その後どれくらいの間隔で入っていたかはわかりません。ただ、自分が入口ホールから2Fの展示室に行く階段辺りに進んだときに「お待たせしました」という声が聞こえてきたので、30秒~1分程度だと思います。

最初のグループで入れたわりには、「それなりに鑑賞者がいる」という印象(待機列に並んでる間も、前の時間枠の人が数十人入っていった)。

黒山の人だかりというわけではありませんが、平面に展示している文書や小ぶりな展示品を見ようと思うと、思うように見えず若干ストレスでした。そのような展示品を視界の隅に入れつつ、空いている展示品を先に見て、人が減った瞬間に見にくい展示品を見に行く、という小技が必要。

正倉院展に限らず、どんな展覧会でも有効な技です。美術館には、定められた順路はあるものの、同一展示室内ではどの順番で見ようが自由です。


たしかに昨年よりは目に見えて人が多かったものの、完全予約制とは名ばかりの大混雑というわけではありませんでした。だからといって、お願いだから来年はもっと増やすなんてことしないでくださいね。。。1時間500人は、奈良国立博物館のような大規模の会場で、それなりにしっかり鑑賞できる限界だと思います。

感想

今年は会場横の奈良公園内に、正倉院展の特設ショップができていました(会期中のみ)。チケットを持っていない人もグッズの購入が可能です。

人気の展覧会や舞台などは、期間の終盤で行くと完売しているグッズもありますが、正倉院展では完売しているグッズはありませんでした(と思います)(ちなみに、会期最終日の2日前に行きました)。

素敵なものはいろいろとありましたが、何よりも「実用性」と「本当に使うか?」という点を重視するクールなしろこ。

買ったのは・・・羊羹だけ(笑)←はたして「実用」と言えるのだろうか。。間違いなく「使う(食べる)」けど(;´∀`)

グッズの話はさておき、今年の正倉院展で一番感じたのは、脇役の美しさ。

見せるためのものを気合入れて作るのは、当たり前といえば当たり前。でも、1300年前の人は、脇役(台や箱)の作りにも嘘がない。

華美なものには華美なものの良さがあるが、脇役が持つ美しさだって負けていない。直線の鋭さ、曲線の柔らかさ、脇役と思われるものにこそ、作り手の人となりが出ているのではないかと思います(近現代でいう「民芸」にも通じる部分があります)。

主役に見る分かりやすい超絶技巧はないけれど、脇役が持つ正確無比な技術は見逃せません。

2021年正倉院展の出展数は55点。第一展示室に不自然な謎の広いスペースがあって、「もしかして、他にも何か展示しようとしてたけど、諸事情により止めたのかしら?」と若干訝しみました^^;

それでは、2021年第73回正倉院展で印象に残った出展品をご紹介します!

青斑石硯(せいはんせきのすずり)

正倉院に伝わる唯一の硯。墨と筆で文字を書いていた時代なのに、唯一というのは意外ですね。硯本体は陶器、それを六角形の青斑石の床石にはめ込み、木製の台に乗せたもの。硯そのものや青斑石より、台の装飾に目がいきました。台の側面、1cmちょっとしかない縁に、それはそれは見事な細かい寄木細工が360度あしらわれています。見ているときには分かりませんでしたが、帰って復習したところ、細く切った象牙も貼られているとのこと。脇役の美しさここにあり!

螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)

丸い胴部を持つ4絃の琵琶。胴部はおそらく正円。琵琶というと、涙型の胴部を思い浮かべるかもしれませんが、こちらの琵琶はバンジョーみたいな形。前面には洗練された螺鈿細工が、背面には豪勢な螺鈿細工が施されています。それだけでなく、縁、転手(てんじゅ・絃を巻き込んでいる先の部分)、覆手(ふくじゅ・絃をとめる下の部分)にも模様(螺鈿細工)があります。背面は、宝物をくわえたインコのデザイン。豪華でデザイン性の高い模様を背面にもってくるとは!演奏するときに背面は見えないから、調度品の意味合いが強い楽器だったのかなと思っていましたが、阮咸(げんかん)という賢者が愛用していたとのことです。

刻彫尺八(こくちょうしゃくはち)

展示室に入って一番最初の展示物。いま我々が目にする、いわゆる「笛」です。360度、ぎっしり絵が描かれて・・・いません。描いているのではなく、竹の表皮を「彫り残して」いるそうです。すごい技術 Σ(@_@;) 小学生らしき少年が、「僕が使ってる笛と一緒やー!後ろは穴1個しかないのも一緒や!」と言っていました。将来が楽しみな子です(笑)

この螺鈿紫檀阮咸と刻彫尺八、ただ展示されているだけではございません。実際に演奏している音が聴けるのです!第一展示室に入ったときに、「なんか、今年は雅な音が流れてるな~」と思ってはいましたが、なんとこの音、昭和27年に実際にこれらを演奏したときの音源!!今だったら「暴挙だ!罰当たりだ!」とかなんとか言われちゃいそうですが(^_^;) たいへん素敵な演出でした♪

色麻紙(いろまし)

麻紙を染めた紙。淡い赤系や青系など、5種類ぐらいの未使用の紙99枚が軸に巻かれたもの。今でも十分使えそうな、色も質感も美しい紙でした。平安時代の宮中で流行した「かさねの色目」の原点はここにあったのではなかろうか・・・。

筆記用具

当時の筆記用具といえば、筆。しかし・・・筆にキャップがある(驚)今日のペンと全く同じデザインです。筆自体はかなり太くて書くにくそうでしたが、いまだかつてキャップにこれほど心惹かれたことはありません(笑)

文書(もんじょ)

当時の事務的なことを記した文書や写経など。見比べると、同じ文書のカテゴリーでも、書き手の文字に対する心構えが全く違うのが丸わかり(^m^)ンフッ。事務的な文書は、ひと言で言うなら「雑」。文字の大きさも太さもバラバラで、書き間違っている部分や消している部分も多い。見た目がどうこうより、内容がわかればいいということなのでしょう。かたや写経は、一字一字思いを込めて書いているのが伝わってきました。写経は様々な展覧会で展示されていますが、今回展示されていたものは、漢字の間違いが朱で訂正されていました。ということは、書かれた写経をチェックする人がいたということ。文字の大きさも線の太さも行のバランスも良く、長い文書に一切の書き間違いがない・・・ように見えましたが、誤字があってそれを訂正されてるって、ちょっとおかしかったです。

事務的な文書と写経、書かれている文字から、どんな姿勢で紙に向かってどんな気持ちで書いたのかが手に取るようにわかって、不思議な感覚でした。当時の人も、今の人ときっとそんなに変わらなかったんじゃないかなって。

オンラインならではの利点もたくさんありますが、やはり実物を見たり、現地に行って感じることでしか得られない感覚は間違いなくあると思います。五感で感じる、というやつ。来年も(完全予約制なら)ぜひ行きたいです(*^^*)

なお、正倉院宝物は、宮内庁のウェブサイトから検索することができます(代表的な宝物のみ。宝物によっては何枚も写真が掲載されており、拡大もできます)。

宮内庁 正倉院宝物検索
https://shosoin.kunaicho.go.jp/search

気になるものがあった方は、ぜひ調べてみてください☆

紅葉にはまだちょっと早かったかな。

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