2022年 第74回正倉院展レポート

多趣味の部屋

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こんにちは、しろこです。

​2020年、コロナ禍になってから完全予約制になった正倉院展。コロナも落ち着いてきたし、今年はどうなんだろう。。と思っていましたが、今年も完全予約制ということで行ってきました\(^o^)/

​でも、行った日(11/9)が悪かったのか、現地に着いた時間が悪かったのか、「これで完全予約制かよ…」と思う混雑ぶり。

​2020年の時間毎のチケット発売枚数は260枚。2021年は500枚でした。1年で一気に倍の枚数になっていたわけですが、はて、今年は何枚に設定していたのでしょうか(あいにくどこにも記載が見当たりませんでした)。昨年のレポで書きましたが、それなりにしっかり鑑賞するためには、奈良国立博物館のような大きい会場でも、1時間に500人が限度じゃないかなぁ。。

​「行った日が悪かったのか」というのはですね、翌日の正倉院展のTwitterに、11/9の午前中に高円宮妃久子殿下が正倉院展を鑑賞されたとの記事が載っていましてね(^_^;) 博物館の前にも横にも、普通は車なんて停まっていない場所に黒光りしたハイヤーが何台も停まっていたので何事かと思ってはいたのですが、まさかそんなことになっていたとは(@_@;) もちろん一般人に混じって鑑賞されたわけではないでしょうが、当日の混雑ぶりと関係があったのかなかったのか。。

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基本情報

​会期:2022年10月29日(土)~11月14日(月) ※会期中無休
​時間:9:00~18:00 ※金土日祝は~20:00。入館は閉館時間の60分前まで
​場所:奈良国立博物館(奈良県奈良市)
​料金:一般2,000円、高校生・大学生1,500円、小学生・中学生500円
完全予約制。当日券の販売なし。

​去年までは中・高・大学生が1,500円でしたが、今年は小・中学生500円というチケットができていました。

チケット情報

​発売日時:9/26(月)10:00
​発売場所:ローソンチケット(先着順)

​今年も電子チケットはありません。必ず事前にローソンもしくはミニストップで発券が必要です

​待ち時間・混雑状況

​初めての平日鑑賞。入館時間10:00~11:00のチケットを取っていて、博物館に着いたのがちょうど10時。すでに長蛇の列ができていました。多分2~300人は並んでいたと思います。何人かごとに区切って入館するので、進んでは止まり進んでは止まりの繰り返しで、入館できたが10:15でした(10:40頃に建物内から外を見た時は、入場待ちしている人は全くいませんでした)。

​並び方については、2021年のレポ内【待ち時間・混雑状況】をご参照ください。

​なお、今年もチケットの確認が2回あります。1回目の確認が終わっても、入館するまではしまわないようにご注意ください。

​2020年も2021年も臨時スタッフの対応がダメダメでしたが、今年のスタッフはテキパキ誘導していました。こちらの方が正倉院展の勝手に慣れたのかもしれませんが(^O^;)

​平日の午前中だったということもあってか年齢層がかなり高く、杖をついている人、手押し車を押している人、車椅子の人がわりといて、大混雑している上に周囲に注意を払いつつの鑑賞だったので、かなり神経を使いました。

正倉院展に限らず、老若男女問わずですが、電車でも店でも混雑する場所ではリュックは前に抱えてほしいものです(#・∀・)

​純粋な鑑賞時間は1時間弱。鑑賞するにはストレスになるぐらいの混雑ぶりだったので、いつもより滞在時間は短かったです。

感想

​展示室に入った瞬間に思ったことは・・・

​「人、多っ!!!」

ほんとに完全予約制ですか…?​

現地に着いた時から思ってはいたものの、完全に到着時間を読み違えました。来年も完全予約制なら、やはり早めに行って並ぶぞと固く心に決めました。

​最初の展示は全浅香(ぜんせんこう)。​直径30cm、長さ1mぐらいの大きな沈香(ジンチョウゲ科の樹木の幹に樹脂などが沈着してできた香木)です。

​「今でも香りがする」と解説文に書いていました。展示ケースに近づくと、甘さのあるかぐわしい香りが…したと思うのですが、気のせい?肩こりに効くというネックレスをしたら、効いている気がするようなもの!?と思ったものの、一緒に行った友人も「なんか良い匂いしない?」と言っていたので、本当に香っていたのだと思います。うん、きっとそう。

​続いては白石鎮子(はくせきのちんす)。​四神と十二支が彫られた大理石のレリーフで、正倉院展の開催案内を見た時に気になっていた展示品だったのですが、人が多すぎてろくに見えず。360度から鑑賞できる箱型の展示ケースに入れてほしかったよぉ。。(TOT) それなら近くで見れるチャンスが増えるのに。。

​壁に沿ったタイプの展示ケースは一つの方向からしか見えないので、厚みのないものを平面に置いて展示されると、混雑する会場ではほとんど見えません。加えてそれが小さいものであれば、見えないに等しいです。せっかく展示するのに、それじゃもったいないよぉ。。

​2022年のチラシに採用されていた漆背金銀平脱八角鏡(しっぱいきんぎんへいだつのはっかくきょう)も、厚みがなく平面に置かれていましたが、こちらは360度から鑑賞できる展示ケースだったので、短時間ですがなんとか近くで見ることができました。毎年感じる、天平文化のデザイン性の高さここにあり!と思わせる意匠です。

​意匠といえば、粉地彩絵几 附 白橡綾几褥(ふんじさいえのき つけたり しろつるばみあやのきじょく)も、モダンデザインと言われても疑わないカラフルながらも洗練された素敵な色使い。「仏前に献物を供えるための台」と言えば、どこか神聖で控えめなデザインと色使いを想像するかもしれませんが、青、赤、緑、紫の非常に鮮やかなグラデーションが台にも脚にも施されていました。

​また、衣装の装飾として使われていた可能性があるという彩絵水鳥形(さいえのみずどりがた)は、今回の出展品の目玉の中でおそらく一番小さい(2.6cm)もの。一見すると金属のようですが、ヒノキの薄板でできているそうです。羽、胴体、くちばしなど細かく色分けされていて、羽の1筋1筋が彫られている…というのは、壁に掲示されていた拡大パネルを見て初めて分かりました(;´∀`) 色は実物からある程度分かったけど、羽の彫りは全く分かりませんでした。

​余談ですが、1200年経てば、宝物(ほうもつ)が入っていた袋もまた宝物になるのです(笑)​まぁ、今の宝物も当時は宝物じゃなかったわけですが。​

​初めて行った正倉院展がきっかけで、見方の面白さがなんとなく分かってきた文書(もんじょ)。今年も最後の展示室には、各種文書が勢揃い。相変わらず書かれている内容は分からないけれど(そりゃそうだ)、文字を見て、それを書いた人に思いを馳せました。絶対書いた人の性格が出てます(^m^)

​一つ、印だらけの文書がありました。印が被っていない文字がないぐらい、数行にまたがる大きめの印が1行に3~4個押されている不思議なもの。きっと何かの意味があるのでしょうが、解説文にもそれらしいことは書かれておらず(書かれてなかったと思う)、謎のままです。印が被っていない語は無効、とか? なわけないか。って、その可能性もゼロではない!?

​笙(しょう)が展示されていましたが、個人的には、楽器の展示は参考音源を流してくれると雰囲気が分かって良いと思います。去年の正倉院展みたいに、もちろん宝物(尺八と琵琶)を実際に演奏した音じゃなくていいですから(笑)

​ここで素朴な疑問が一つ。

​織物などの破片を展示する時、周りの生地がないのに、飛び地みたいな感じで生地があったであろう場所に破片を置きますが、なぜその部分の破片だと分かるのでしょうか。絵や模様が明瞭に残っているのであればある程度推測はできると思いますが、そうでない場合は何を根拠に破片があった場所の特定ができるのか…。それが1cmぐらいの小さな破片である場合は、なおさらです。。詳しい方、コメントの書き込みお待ちしております!​

​最後に見た出展品がまさに生地の飛び地状態で、友人と「なんでこの部分の破片って分かるんでしょうねぇ。。」とボソボソ言いながら、今年の正倉院展を後にしました(笑)

​前回もご紹介しましたが、正倉院宝物は、宮内庁のウェブサイトから検索することができます(代表的な宝物のみ。宝物によっては何枚も写真が掲載されており、拡大もできます)。

​宮内庁 正倉院宝物検索
​https://shosoin.kunaicho.go.jp/search

​気になるものがあった方は、ぜひ調べてみてください!

招き猫ならぬ『招き鹿』

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