~憑依~宝塚歌劇宙組公演『黒蜥蜴』『Diamond IMPULSE』(2026/6/7@宝塚大劇場)【観劇レポ/感想】

宝塚レポ

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こんにちは、しろこです。

あの件以来、どうも宙組を観るのが躊躇われて、今回が実に3年ぶりの宙組観劇。

なお、あの件への思いはこちら↓に綴っております。。。

なぜ今回観ようと思ったかというと、純粋に『黒蜥蜴』という作品に興味があったから。

宝塚でも過去に上演されているようですが、私の中で『黒蜥蜴』といえば美輪明宏氏。テレビで美輪さん主演の『黒蜥蜴』の舞台映像をちょろっと見たことがある程度ですが、その「ちょろ」が鮮烈で、作品に興味を持ちました。

それと、雪組から宙組に組替えになった叶ゆうりさんが観たかったから​です。雪組時代の作品では出番も台詞も決して多くはありませんでしたが、彼(彼女)の存在感は​間違いなく宝塚屈指。月組の佳城葵さんよろしく、ひとたびその存在に気づいたが最後、舞台のどこにいても何をやっていても気になってしまう方​なのです​。

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『黒蜥蜴』について

あらすじ

……終戦を経て、高度経済成長期を迎え、今再び華やかなりし栄華へ向かおうという首都・東京。戦後復興の、その勢いを象徴するかのような、開業して間もない東京タワーの人工的な煌めきが、夜空に燦然と輝いていた。
その光の届かぬところ、“魔都”の影ともいえる暗黒街を賑わす二人の人物がいる。一人は探偵・明智小五郎。警察組織さえもてあます、難事件の数々を真相へと導いてきた彼の活躍により、首都の平和は人知れず守られてきた。そして、もう一人。未だその正体も、所在も知る者のいない盗賊・黒蜥蜴。
目抜き通りがイルミネーションに華やぐクリスマス・イブの夜、二人の運命が交錯しようとしている……。

宝塚歌劇オフィシャルサイトより

主な配役

明智小五郎:桜木みなと
数々の難事件を解決してきた稀代の名探偵。

黒蜥蜴(緑川夫人):春乃さくら
左腕に黒い蜥蜴の刺青を持つ女賊。

雨宮潤一(山川健作):水美舞斗
黒蜥蜴に心酔する部下。

浪越警部:叶ゆうり
警視庁刑事部捜査第一課の警部。明智と旧知。

真木警部補:鷹翔千空
浪越警部を補佐する若手警部補。

全体を通しての感想

春乃さんめちゃくちゃ上手い。

これに尽きる。

いやちょっともうほんと、、、上手い。

上手い。。。

直近で宙組を観たの​は2023年の真風涼帆さんの退団公演『カジノ・ロワイヤル』​。その頃は春乃さんの存在自体ほとんど認識していなかったので​すが・・・度肝を抜かれるレベルで上手かったです。

特に声の表情。各組のトップ娘役それぞれに持ち味はあるけれど、黒蜥蜴をこのクオリティで演じられるのは春乃さんだけだと思いました。トップ娘役になってから今作の間に演じられた役はどれも観ていないので比較はできませんが、男女問わず多くの部下を心酔させるカリスマ性と迫力と妖艶さを兼ね備えた哀れな黒蜥蜴は当たり役だと思います(私の認識不足だっただけで、今年で研10なんですね!)。

桜木さんも、正直、芝居に深みがなぁ…と思っていた頃も​ありますが、明智小五郎からは大人の男性の余裕と色気が感じられました。黒蜥蜴との駆け引きでは余裕の中にも緊張感が垣間見えましたし、桜木さんにとっても明智小五郎は当たり役になるかもしれません。

水美さん演じる雨宮の危うさと脆さを感じさせる翳りを帯びた表情にも惹き込まれたし、3人とも耽美な世界観に生きる役が憑依している・・・なーんてことを思ったのですが、前作は学園モノだったんですよね!?!? ええっ!!!?Σ(@_@;) いや、多分、いや絶対に『黒蜥蜴』の方が異色の作品だと思うんですが、なんせ今の体制になった宙組を観劇したのは今回が初めてなので、学園モノの方がちょっと想像できないわ(笑)

本作『黒蜥蜴』、元は戯曲なのでひねりの効いた台詞​や長台詞が多く、観る側にもかなりの集中力が求められる作品です。とはいえ、舞台転換や盆回りが効果的に使われているため(回数も多い)、ストーリーを知らなくてもミュージカルとして十分楽しめるし、わりとすんなり芝居の世界に入っていけます。

本作の演出家、ミュージカルの見せ方は上手いと思っていたものの、『ひかりふる路』以外の脚本はどうも好きになれませんでした。ですが、前作の雪組『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』で評価が上向き、本作でさらに良くなりました。​話の内容でいったら小劇場での公演の方がふさわしい(と思う)作品を、よく大劇場のスケールで演出できたなと思います。黒蜥蜴を取り巻く不気味な蜥蜴たちも良かった!

さて、お久しぶりの叶ゆうりさん。​役どころは、明智同様、でも明智とは種類の違う大人の男性の余裕と色気が漂う浪越警部(黒蜥蜴を逮捕できないでいるのに​なんだその余裕は!笑)。 いい意味で力が抜けていて、猪突猛進型の真木警部補との対比が光っていました。欲を言えば、もっと出番が欲しかったなぁ(><)

例の件があったので、他の組を観る目と違ったのは事実。でも、それぞれの技術や表現力を含め、全体的にすごく見応えのある作品だったというのもまた事実でした。

『Diamond IMPULSE』について

全体を通しての感想

客席も舞台も暗くなりきらないうちに、爆音とともに開演します。ご注意ください​(マジで)。実際、周りで「ヒャァッ!」となっている方がいらっしゃいました​(大汗)

『黒蜥蜴』の陰に対し、『Diamond IMPULSE』は場面のほとんどが陽。

ショーでも春乃さんに釘付けでした。ものすごくハツラツとしていて、ついさっきまで黒蜥蜴を演じていた人とは思えない​…(;・∀・) ​力強く明るくスコーンと抜ける​歌声で、高音もいいけど低音が魅力的。歌うまのトップ娘役といえば、直近だと​元雪組の真彩希帆さんですが、真彩さんの声質とは違う​感じがします。どちらも(・∀・)イイ!!

「特にここがよかった!」という飛び抜けて印象に残った場面はなかったものの、終始、すごい熱量と組子の一体感が​感じられるショーでした。

​なんせ3年以上観劇していなかったので、『カジノ・ロワイヤル』以降、どんな舞台をしていたのかは分かりません。分からないけれど、桜木さんがトップになってから、組子一人一人、何かが変わったのかなと推測します。きっと変わったのは、ハード面(技術)ではなくソフト面(心持ち)。満身創痍から心機一転​、 新生宙組​誕生という表現は​決して正しくはないと思いますが、それぞれに十字架を背負って…ということなのかもしれません。

『RRR』観劇レポの冒頭で思いの丈は綴ったのでこれ以上は書きませんが、やはりまっさらな気持ちでは観られない。でも今のメンバーでの他の舞台も観てみたい。ものすごく複雑な心境です。

​春乃さん同様、歌上手かったんだ…と思ったのが鷹翔千空さん(すんません)。これまでの舞台で鷹翔さんが歌っていた記憶があまりないんですが、声量もあるし声がブレないし、こんな歌声だったのねΣ(・∀・;)

桜木さん​は体を目一杯使って心で踊って​いる感じ​がして、元雪組トップの早霧せいなさん​を彷彿とさせました。

水美さん​は雨宮潤一の鬱憤を晴らすかのような爽やかな笑顔が眩しい☆​ 強いバネが生み出す体のキレはさすがとしか言いようがありません!

今作は第112期生のお披露目公演でもあります。今年も謎の親心が爆発してウルウルしまくり。
ロケットのフォーメーションが​非常に複雑​でした。賛否両論あると思いますが、個人的にはフォーメーションよりもラインダンス(足上げ)に力を入れた演出をしてほしいかなぁ。。。初舞台生は複雑なフォーメーションをこなすより、足上げがバシッと揃っている方が「おおーっ!!」となります(少なくとも私は)。

​その後、若手男役​が大階段の前でマイクスタンドを使って歌うんですが、、、衣装が​まるで『銀河英雄伝説』(はたして分かってくださる方がどれだけいらっしゃるだろう…​。2012年、凰稀かなめさんがトップだった時の宙組公演です)​。軍服ってね、戦艦や戦闘機と同じで、用途や背景を考えると、かっこいいって言っちゃいけないものだと思うんだけど、、、かっこいい(大いなる矛盾)。​そういえば、過去の作品で使用した大量の衣装ってどうしてるんでしょうね? 保管しておいて再び舞台で日の目を見ることもあるのでしょうか…(ほんとに『銀河英雄伝説』で使った衣装に手を加えたものだったりして…)。

​そして、赤い​ライトで照らされた大階段を下りてくる、男役​の皆さんの黒いシルエット​。バスドラムとベース​がビートを刻む音楽で、一気にテンションが上がります♪ なんでこの場面が宝塚公式YouTubeの初日舞台映像で使われていないのか不思議でなりません!!

大劇場千秋楽の日も東京千秋楽の日もすでに別の予定が入ってしまっていて(観劇後に気づいた(;_;))、ライブ配信が観られないのが残念。。。と思う2作品でした。

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