~どうした、小池~宝塚歌劇宙組公演『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』(2023/3/27@宝塚大劇場)

宝塚レポ

本記事には公演のネタバレを含みます。

※本記事には広告が含まれています。

今まで、先行先着でチケットが取れたことはありませんでした。
そもそもサイトにアクセスすらできないか、アクセスできて操作を進めても、最後の最後で「ご希望のお席がご用意できませんでした」みたいなツレナイ表示が出るかのどちらか。前者ならまだ諦めもつくけど、後者は切なすぎます(T_T)

こんにちは、しろこです。

今回の公演『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』は、トップ・オブ・トップと称される宙組トップスター真風涼帆さんの退団公演。

チケットは無理かなぁ。。と思いつつも、販売開始時間の数分前にスタンバイ。ダメ元で挑むと分かっていながら、マウスのクリックボタン上に構えた指がめっちゃ震える。

時間になった!

カチカチカチッ…

と、取れた!?

鋭いスルーパス並みに一瞬回線が空いたのかどうかは知りませんが、人生初、先行先着でチケットが取れた(驚)

支払いの案内が書かれたメールが来たけど、もう少ししたら「システムエラーでお席を重複してご案内しました」とかいう謝罪メールが来るんじゃないかと半信半疑でした。1日経っても来なかったので振り込みましたが(一応1日は待ってみた(^_^;))

しろこが宝塚ファンになるきっかけを作った母しろこ。コロナ前は、旅行会社のツアーに申し込んで年1ぐらいのペースでド田舎から大劇場まで観劇に来ていました。

そんな母しろこは真風さんのファン。

「期待はできんけど、チケット取れたら行く?」と聞いてみたところ、「行きたい! 大劇場千秋楽と東京千秋楽のライブビューイングのチケットも取って♡」とのこと。

1枚しか取れなかったら譲ろうと思っていたのですが(←自分で言うのもなんだけど、意外と孝行娘)、奇跡的に2枚取れたのです。1枚取れるだけでもかなりの確率だと思う。。はい、これで今年の運、早々と使い切りました(苦笑)

というわけで、久々に母しろこと並んで観劇(母しろこは上京自体が4年ぶり)。久々の生観劇でテンションが上がったのか、キャトルレーヴでグッズやらお菓子やらいろいろ買ってました(笑)

さて、真風さんの退団公演の演目が発表され、演出が小池修一郎氏と分かり、「こりゃ間違いないっしょー!」と思ったのはきっと私だけではないですよね?

真風さんで『007』で小池修一郎。

どう考えたって間違いない・・・はずだった。

蓋を開けてみれば、演出もストーリーも、どうしちゃったの?

歌やダンスの挿入の仕方とか、舞台の使い方とか、ミュージカルの作りは上手いんです、もちろん。

でも、ここ数年で宙組が上演した作品の寄せ集めが過ぎる。パロディーも全然効果的じゃない。そして何より、作品に中身(テーマ)がない。

「男役・真風涼帆の魅力を堪能する」がテーマというなら分からなくもないけど。

いや、それでも観劇レポはちゃんと書きますよ!

書きますけど・・・小池さーん! 一体全体どうしちゃたのー!?

本記事には公演のネタバレを含みます。

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あらすじ

時は第二次世界大戦後の1968年。世界はアメリカを中心とする西側と、ソビエト連邦を中心とする東側とに分かれていた。冷戦―その最前線では、諜報部員たちが密かに戦いを続けている。
イギリスの秘密情報機関「MI6」に所属する、コードネーム「007」ことジェームズ・ボンド。数々の激戦をくぐり抜けてきた有能な秘密情報部員である。ある日ボンドは、ソ連のKGBに所属する諜報部員ル・シッフルとギャンブルで勝負するよう司令を受ける。ル・シッフルはフランスにおけるKGBの司令塔であり、彼が経営するパリのナイトクラブはKGBの資金源かつ隠れたオフィスになっていた。店の売上金を使い込んだル・シッフルは、カジノで一攫千金を狙っている。ボンドが勝てば、KGBの資金源を断つことができるのだ。
その頃、パリの街では学生たちによる反体制デモが繰り広げられていた。偵察のためパリを訪れたボンドは、デモに参加し警官に追われていた女子学生のデルフィーヌを助ける。ロマノフ家の末裔であるデルフィーヌは、亡きナタリア大公女の遺言により、莫大な財産を手にすることになっていた。
ル・シッフルとの勝負のため「カジノ・ロワイヤル」に乗り込んだボンドは、そこでデルフィーヌと偶然再会する。
偶然関わりを持ったデルフィーヌが心に掛かるボンド。デルフィーヌが相続した財産を手に入れようと画策を始めるル・シッフル。様々な陰謀と策略に立ち向かうため、ボンドは命懸けでミッションを遂行していく―。

主な配役

ジェームズ・ボンド:真風涼帆
イギリスの秘密情報機関「MI6」の諜報部員。コードネーム「007」

デルフィーヌ:潤花
ソルボンヌ大学で教育を学ぶ院生。亡きロマノフ家大公女の遺言で一族の家長後継者となる。

ル・シッフル:芹香斗亜
ソ連の秘密情報機関「KGB」の諜報部員。フランスでのKGBの司令塔。

ミシェル・バロー:桜木みなと
デルフィーヌの恋人。パリの反体制デモに身を投じる過激派の学生。

ゲオルギー・ロマノヴィッチ・ロマノフ大公:寿つかさ
ロマノフ家の末裔の一人。デルフィーヌの従伯父。

フェリックス・ライター:紫藤りゅう
アメリカの秘密情報機関「CIA」の諜報部員。

ルネ・マティス:瑠風輝
フランス情報局「セデス」の諜報部員。

全体を通しての感想

真風さんがカッコよかったです。以上!

・・・って、さすがに一言で終わらせるわけにはいきませんわね(;´∀`)

でもね、うーんっとね、なんていうかなぁ、、、『神々の土地』(2017年)と『オーシャンズ11』(2019年)と『アナスタシア』(2021年)と『シャーロック・ホームズ』(2021年)を合わせて、隠し味に『エリザベート』(2016年)を入れたという感じ。

全て宙組で上演された作品で、もちろん真風さんもご出演されています。

ということは、あえて・・・ですか?

それにしちゃあ、雑というかやっつけというか、なんていうか・・・中身がない(瞬殺)

真風さんがカッコよかった。以上。

真風さんだけじゃない。芹香さんもカッコよかった。紫藤さんも鷹翔さんもあの人もこの人もカッコよかった。

カッコよかった・・・けど。

幕開きはスーツでキメた男役の群舞。

「よっしゃキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

幕開きでテンションが最高潮に達したものの、幕が下りる時には完全に凪いでました。

それぞれの役に見せ場があって、ダンスや歌の入れ方も上手くて、カッコよくて、なんだけど、「・・・で?」状態。この作品にテーマはあるんですか? カッコよけりゃ、別にテーマなんて無くてもいいのかもしれないけど。

けど・・・観客を舐めるんじゃない!

いや、ちょっと、ほんと、、、衝撃的なほどの寄せ集めと中身のなさ。

まさかトップコンビや組長さんたちの退団公演の観劇レポで、こんなことを書く羽目になるとは思いもしませんでした。それぐらい残念な作品。

意見には個人差があります。

いつもは幕間休憩中に、前半で良かったポイントや注目してほしいポイントをガーッとメモるんだけど、あれ、手が動かないぞ・・・。

芹香さん演じるル・シッフルは、まるで『シャーロック・ホームズ』のモリアーティ教授。立ち位置も思想も、なんなら見た目も。「ロマノフが関係するならラスプーチンも当然いるっしょ!」と思ってかどうかは知りませんが、ル・シッフルがラスプーチンに化ける必要、あるんですかね。。もう、『神々の土地』で愛月ひかるさんが演じたラスプーチンが思い出されてしゃーなかったわ。。

必要といえば、桜木さんが演じたミシェル・バローも、あんなキャラにする必要、あったんですかね。。硬派な青年かと思っていたら、とんだヘタレ。シリアスな場面が多い芝居に登場する、箸休め的なキャラ(出てくると観客がホッとするような)ではあるんだけど、キャラ設定に違和感ありまくりでした。

終盤のボンドとル・シッフルが剣で立ち回る場面は、まるで『シャーロック・ホームズ』。最後にル・シッフルが飛び降りて退場するし。まぁ、『007』も『シャーロック・ホームズ』も、舞台が同じイギリスだし、作品(題材)のテイストも似ているといえば似てるんだけどさ。。

潤さん演じるデルフィーヌと天彩さん演じるアナベルも、他にキャラ設定のしようがなかったもんかのぉ。。

すみませんね、好き勝手なことばっかり言って(^o^;) 「じゃあお前が脚本書いてみろよ!」と言われたら返す言葉もありません(_ _;)

私はただ、トップさんや好きな人の退団公演は、素敵な役であってほしいし、作品自体も心に残るものであってほしかっただけです。本作も心に残ることは間違いないですけど。違う意味で(ボソッ)

う”ーんう”ーん、こんなマイナスの要素が多いレポのまま終わらせるわけにはいかんっ!

ここからは「そんな中でもよかったところ」をご紹介します。無理やりひねり出してるんじゃないですからね!

本作『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』、とにかくセットが豪華です。特に、大きなルーレット台が鎮座するカジノ。ルーレットの造りも立派ですが、ヴェルサイユ宮殿のような建物のセット。シャンデリアも手が込んでいます。

メインキャスト以外でのイチオシは、ル・シッフルの配下で科学者のドクトル・ツバイシュタインを演じる若翔りつさんと、訓練隊長のジャンを演じる優希しおんさん。

若翔さんは、名前だけは知っていたのですが、これまで全く認識していませんでした(申し訳ない。。実は名前も、見たことがある程度で。。)。

今回、ソロで一場面担っていて、歌は上手いし、イカれた演技(表情)もいい感じだし、なんで今まで大きな役がつかなかったのか不思議なぐらいです。

優希さんは、『アナスタシア』の劇中バレエで初めて認識しました。

あの時も体のキレに驚きましたが、今回もキレッキレの動きを見せてくれています。衣装がわりとピタッとしたものなので、体のつくり(筋肉の付き方)が明らかに他の人と違うことが分かります。男性バレエダンサーのような、しなやかでありながら力強さも兼ね備えたバネがある! 同じような衣装で同じ振りをしていても、一つ一つの動きが鋭くて正確。特に足を上げる振りは、余裕で180度開脚してます。ということは、きっと180度以上開くはず。ル・シッフルの部屋で踊るコサックは、上半身が全くブレません。

ダンス繋がりでいくと、本編後のショーでは組長さんにソロダンスの場面がー( ;∀;)

寿さん、私は芝居の印象の方がずっと強いのですが、昔は名ダンサーで鳴らしていたそうです。ほんの数秒のソロでしたが、「組長さんがソロ踊ってるー(ノД`)」とウルウルしました。芝居の終盤でも、ゲオルギーが息子たちにかける言葉が組子にかける言葉に思えて、泣けてきました。。『応天の門』の観劇レポでも書きましたが、どの組でも、組長さんが退団するのってなんだか悲しい。。

『アナスタシア』ではマリア皇太后役だった寿さん。芝居の最初の方に出てくるニコライ二世一家の写真の中に、マリア皇太后役(?)で出ていたような・・・。

何度かあるコーラスの厚みは、さすが宙組。

真風さんが醸し出す大人の男の色気と余裕は、言わずもがな。

上級生から下級生に至るまで、組子一人ひとりは輝いていました。一人ひとり「は」・・・。

『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』

もうこれは、作品を楽しむのではなく、組子一人ひとりを見るものだと割り切っていいかもしれません。

物語を俯瞰しない。

演者を見ることに没頭する。

そうすれば、私のようなマイナスの感想を持たずに済むはずです、きっと(苦笑)

と言いながら、退団の挨拶が聞きたいので、東京千秋楽のライブ配信は見る予定ですが(^.^;
大劇場公演と東京公演では演出が変わることも多々あるようなので、淡い期待を抱いておきます。

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退団される皆さん、大千秋楽まで無事に、そして悔いなく終えられることを心より祈っております! ありがとうっっ!!

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