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こんにちは、しろこです。
ゲー吐きそうな(言い方よ…)仕事量と仕事のいざこざに耐えられたのは、年休を取って宝塚を観に行くというニンジンが目の前にぶら下がっていたから(^_^;)(その後また忙しくなり、観劇から2週間以上過ぎての投稿です。。)
公式サイトの作品紹介を読んで、「ぶっ飛んだ設定だなぁ…」としか思わなかったので(しかもオリジナル)、作品自体にはなーんも期待していませんでした。
でも、期待値の低い作品は意外と面白い説(しろこ説)が今回も当てはまりました!
『エンジェリックライ』について
あらすじ
天界一の大ホラ吹き、天使アザゼル。類まれなる美貌と聡明さを持つ彼だったが、その大変なる素行の悪さから、ついに天帝の怒りを買ってしまう。アザゼルは一切の能力を封じられ、修行と称して人間界へと堕とされてしまうのだった。
天界へと帰る方法を模索するアザゼルだったが、天使としての能力と共に、なんと嘘をつく能力も封印されてしまっていた。人々に真実の素性を語るも、あまりの荒唐無稽さに相手にされず、ホラ吹き呼ばわりされてしまうアザゼル。途方に暮れ、飲んだくれる彼は、一人の女性と出会う。彼女はエレナと名乗り、トレジャーハンターだという。
エレナは、どんな天使や悪魔をも従えることができる、と言い伝えられる秘宝「ソロモンの指輪」を狙っていた。長らく人類史から紛失していたが、最近フェデリコという大富豪が入手した指輪が、それに違いないという。指輪の力を使えば、自分も天界へ帰れるかもしれない、と協力を申し出るアザゼル。二人は共闘を誓い、指輪を盗む策を練り始めるのだった。
その頃、フェデリコの元に別の怪しい影が忍び寄っていた。指輪の力を得んと欲する悪魔、フラウロスである。一方、その動きを察知した天界も、大天使ラファエルを人間界に派遣し、事態は混迷を極めていく。
果たしてアザゼルは、人間、天使、悪魔が入り乱れる騙し合いに勝利し、力を取り戻して天界へと帰ることができるのか。
宝塚歌劇オフィシャルサイトより
主な配役
アザゼル:永久輝せあ
天界一の大ホラ吹きで悪童。人間界に堕とされる。
エレナ:星空美咲
トレジャーハンター。別名エンジェルシーフ。
フェデリコ:凪七瑠海
一代で財を成した大宝石商。リゾート「エンピレオ」のオーナー。
天帝:紫門ゆりや
天界の最高権威。アザゼルを人間界に堕とす。
ラファエル:綺城ひか理
天帝の右腕。アザゼルの同期。
ラウロ/フラウロス:聖乃あすか
人間に扮した悪魔。フェデリコと手を組む。
全体を通しての感想
幕開きは大人数が集っている天界のシーン。
実はこの中に永久輝さん演じるアザゼルもいるのですが…まーったく気づきませんでした(笑)
星空さん演じるエレナが初めて出てくるシーンも、大人数の中にスーッと登場する目立たない演出なのですが、こちらは動きや立ち位置でなんとなく分かります。
でも、永久輝さんはアザゼルが不審な動きをするようになるまで本当に気づかず(^o^;) 頭をすっぽり覆うフード付きのマントを取ってスポットライトを浴びて初めて「いたんですか!?」となった方もいるんじゃないかなぁ。。(それにしても、宝塚の舞台装置は天界を表すのにうってつけですね)
エレナの台詞に「荒唐無稽」という言葉が出てきますが、本作を一言で表すとまさにこれ。全編を通してのワチャワチャ感がどことなく『元禄バロックロック』に似てるなと思っていたら、同じ演出家でした。
キライじゃないです( ̄ー ̄)フフッ
「中身がない」と言ってしまえばそうかもしれませんが、個人的にはここまでぶっ飛んでるとかえって気持ちがいい。どっちつかずの中途半端な作品が一番イヤ。曲も、ロックありバラードありで多岐に富んでいますし(^^)b(銭形のとっつぁん(役名はマリオ警部)を出してくるのはちょっとどうかと思ったけど…。『シティーハンター』に出ていた青島刑事(に似た人)は、ウォーリーを探せ感がありましたけど、今回はちょっとあからさまというか。こういうキャラの使い方は塩梅が難しい…)
何より、プログラムに掲載されていた作・演出の谷貴矢氏のこの言葉が良かった。
『天使は、居てほしいから居るものです。気象衛星に映ったから居るというものでも、居ることが世界の理として正しいから居るというものでもない。まず人々の「居てほしいなぁ…」が先にあって、それに呼応して爆誕してくれるんです』
「爆誕」するかどうかはともかく(谷氏なりのユーモア表現でしょう)、『人々の「居てほしいなぁ…」が先にある』という部分は天使の存在に限らず言えることなので、ものすごく腑に落ちました。
今作『エンジェリックライ』は、設定も演出も何でもあり。当て書きも多そうです。
一番はやはり、アザゼルと綺城さん演じるラファエルが同期という設定でしょう。
私の中での同期コンビ(?)と言えば、直近だと柚香光さん✕水美舞斗さん、一昔前だと凰稀かなめさん✕緒月遠麻さんでした(今でも、芝居で凰稀✕緒月コンビの右に出る同期コンビはいないと思ってます)。
星組に組替えした綺城さんが花組に戻って、永久輝さんを支える立場になるのかと思っていたら、まさかの退団。雰囲気がどことなく凪七さんに似ていて、長身だけど女役も似合いそうで、オールマイティーに演じられる方だと思っていたので残念です。。
そして専科の凪七瑠海さんも今作で退団。。(T_T)
おそらく多くの方も薄々(どころではないか…)感じたと思いますが、『エンジェリックライ』も『Jubilee』も、永久輝さんと星空さんのお披露目公演というより、凪七さんの退団公演という印象が強かったです。
最後の舞台でふんだんに見せ場があって、芝居もすごくカッコいい役で、凪七瑠海ここにあり!と思わせてくれる内容ではあったんですが・・・なんて言うかな・・・お披露目公演なんだから、主役はあくまでも永久輝さんと星空さんなんじゃないかなって・・・。私は、特にこの人が好きというのがないので冷静に見ていましたが、永久輝さんや星空さんのファンは「え、ちょっと待ってよ…」とモヤモヤしたのではないでしょうか。。もちろん、登場する回数で言えば永久輝さんと星空さんの方がずっと多いんですけど、凪七さんが登場するシーンのインパクトが勝ってます。
基本的にドタバタ劇なので、舞台上にいる人が多い。
そんな中で、ともすれば見逃してしまうかもしれない名演技があります!
前半の酒場のシーン。
アザゼルがエレナを助けて乱闘になるところで、アザゼルが相手のピストルを奪って、鮮やかにクルッと一回転させます! 本当に一瞬のことなので、皆様お見逃しなく!
ラストはアザゼルとエレナが客席を取って退場します。
しろこ@2階S席。
なんっっっっっっも見えねーーーー!!!!
凪七さん演じるフェデリコの表情から、客席で台詞のない芝居をやっていたんだろうけど・・・けどぉぉぉぉぉ!!!
1階が全部S席で、2階が全部A席かB席だったら、見えない・見にくい部分があっても多少許されると思います。
でーもー!! 同じ料金払ってるのに何も見えない(1階のA席の方がいい)って、どーなーん!!?
せっかく「意外といい作品だったな」と思ってたのに、最後の最後でガッカリ&消化不良でした(><)
『Jubilee(ジュビリー)』について
全体を通しての感想
白とピンクのきらびやかな衣装。花組カラーで王道の幕開きです。もちろん凪七さんもご出演。手羽を持っているので一段と華やかさが増しています☆
幕開きに続いて印象的だったのは、黒スーツの永久輝さんが、赤スーツの男役を従えて踊る場面。今までにないフォーメーションチェンジ。曲調は激しいですが、主旋律を演奏しているのがピアノだったりシンセサイザー(多分)だったりなので、靴音や衣装が擦れる音が聞こえてきます。最後は全員銀橋に。花男キター!
そして、フェルゼンのような出で立ちの凪七さんが銀橋にご登場。バックで踊るのは美羽愛さん。芝居で気になっていた方です(フラウロスの使い魔・ルーナ役)。今作でバッチリ覚えました!
中詰はお約束の客席下り。ですが、今回はいつもの客席下りとはわけが違う。
どう違うかと言うと・・・
永久輝さん、星空さんから順に、客席の後ろの方まで行っ・・・たはず。
しろこ@2階席。
全く見えなかったんですが、多分そう。
1階席の盛り上がり方からして、きっとそう。
いつもは後ろに行くのは下級生で、トップさんたちは銀橋の上か、下りたとしても1列目の前の通路か、行っても数列目まで。
2階席で観劇する時の客席下りにはいつも疎外感を感じていますが、今回は涙がちょちょぎれるほどの疎外感でした。そりゃね、誰だろうとすぐそばまで来てくれたら嬉しいですよ。でもね、知ってる人や好きな人が来てくれたらもっと嬉しいのが人ってもんですよ。私は今でも、元星組の夢野聖夏さんにハイタッチしてもらった時の手の感覚、すごく覚えてます。
(1階席だけ)盛り上がった後はガラッと…変わらない! 若手中心のエネルギッシュな場面へ突入! 場面が始まった瞬間からすごい熱量の高さで、客席から自然と大きな手拍子が起こりました。頑張っている若者を応援したくなるのは、年をとった証拠でしょうか(苦笑)
再び凪七さんを中心とした場面があり、ダヴィッドの絵画『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』を彷彿とさせる場面があり、ロケット(いつもより長い?)があり・・・
大階段の真ん中にシルエットが浮かぶ。
シルエットの主は・・・
赤いスーツの凪七さん!!
大勢の娘役を従えて踊る!
凪七さんの退団公演>永久輝さん✕星空さんのお披露目公演、確定。
そして今度こそ永久輝さん登場。黒燕尾の男役の群舞です。永久輝さんの黒燕尾には、芝居に合わせてか左肩から袖にかけて天使の羽のように見える刺繍が施されています。序盤の赤スーツの男役を従えて踊る場面同様、大階段での黒燕尾の場面もフォーメーションが凝ってます。
凪七さんが1人で大階段から下りてきて、永久輝さんと踊って熱い抱擁。その後、永久輝さんと綺城さんがさらに熱い抱擁を交わす演出にはグッときました。演出とはいっても、心からの抱擁ですよね(;_:)
今作『Jubilee』は、タイトルは知らなくてもどこかで聴いたことがあるクラシックの有名な曲がたくさん使われています。その中でも有名どころで言うと、黒燕尾の場面で使われているのはエルガーの『威風堂々』。ただ、私はこの曲を聴くと、どうも『あたしンち』の歌詞が脳内を巡っちゃって(;´∀`)
デュエットダンスは黒と白を基調としたシックな衣装で。私が星空さんを知ったのは『銀ちゃんの恋』での抜きん出た芝居力がきっかけだったのですが、歌もダンスもいいですね◎
パレードでは、星空さんの前に、大羽根を背負った凪七さんが下りてきます。多分永久輝さんの羽根と同じ大きさの大羽根。
やはり、トップコンビの大劇場お披露目公演だけど、凪七さんの退団公演だったという印象が強い。
なるべくしてトップになる人もいれば、そうでない人もいる。そして、トップになれる技術も表現力も華やかさもあるのに、なれない人たちも大勢いる。
芝居(人によっては歌も)専門の大御所だけが在籍していたかつての専科とは違い、今は瀬央ゆりあさんや水美舞斗さんのような、芝居も歌もダンスもできる人がいます。凪七さんは轟悠さんのように、永遠のスターになるんだろうなと何となく思っていました。『アウグストゥス』で見た異次元のスタイルには、知っていたとはいえ(知っていても)度肝を抜かれました(今回改めて公式サイトのプロフィールを見て、身長が169cmということにも驚きました。それほど長身ではなくてあのスタイルなんですか!?)。
凪七さん、長い間楽しませていただき、本当にありがとうございました。
永久輝さん、星空さん、柚香さん✕星風さんに負けないお似合いコンビになりますように♡ 新生花組、期待しています!
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