【公演中止】『マタ・ハリ』(7/19、20@梅田芸術劇場メインホール)~引くべきときに引く勇気~

舞台レポ

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数ヶ月前にチケットを取り、観劇を心待ちにしていたミュージカル『マタ・ハリ』大阪公演。

7/19公演当日。

昼休みに、上演時間の内訳が知りたくて公演の公式サイトを確認しました。

衝撃。

2021年7月19日

梅田芸術劇場並びに読売テレビでは、政府や自治体等による新型コロナウイルス感染拡大予防のためのガイドラインを遵守するとともに、お客様と公演関係者の安心・安全を最優先に考え、感染予防対策の強化に取り組み、ミュージカル『マタ・ハリ』を上演してまいりましたが、この度、7月17日(土)夜に公演バックヤードのスタッフ1名の陽性が判明いたしました。

所管保健所による調査の結果、公演関係者内に濃厚接触者にあたるものはいないとの判定を受けましたが、万全を期するために7月18日(日)に独自でPCR検査を公演関係者全員に行ったところ、追加で1名の陽性者が判明いたしました。 

このような事態を受け、本日7月19日(月)以降の公演はすべて中止させていただくことになりました。

 <中止となる公演>
7月19日(月)13:00公演
7月19日(月)18:00公演
7月20日(火)12:00公演

中止となりました公演へのご来場を楽しみにされていたお客様には、大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳なく深くお詫び申し上げます。
また、このような形で『マタ・ハリ』全公演が終了することになり、誠に残念でございますが、皆様から多大なるご支援・ご声援を頂いたことに対し、心より御礼申し上げます。 

チケットの払い戻し方法につきましては、近日中にホームページでご案内させていただきますので、ご購入されたチケットを大切に保管していただきますようお願い申し上げます。

梅田芸術劇場公式ウェブサイトより

公演直前までチケットが叩き売りされていました。S席なんて半値以下で。
(興行だから客席を埋めなきゃいけないのはわかるけど、こーゆーの、私も含め、定価+先行販売特別手数料を払ってチケット取った人たちはモヤモヤするよなぁ。。)

だから、興行的には失敗なのかもしれない。

でも、私は観たい!

いや、観たかった!!

観たかったっ!!!

「安心安全」ってなんでしょうか。
「万全の感染対策」ってなんでしょうか。
「水際」ってなんでしょうか。
「徹底した」ってそんなに軽い意味なんでしょうか。

もちろんこれは、今回の公演中止に対して言っているのではありません。政治家や某組織委員会、なんとか貴族、メディアに対して言っているのです。

「特別」って、何をもって「特別」なんでしょうか。

複製したように同じ内容の芝居はない。だから、舞台人にとっては1回1回の舞台が「特別」。

我が子の成長を少し離れたところから見る機会。だから、お父さんお母さんにとっては運動会や発表会が「特別」。

やっと自分の店が持てた。だから、店主にとっては店を開けてお客さんに料理を出すことが「特別」。

違いますか?(一番の特別は「日常が日常であること」ですけど(-_-))

それともう一つ、「特例」ってなんでしょうか。

ぜひとも、辞書には「特例=自分の都合のいいように物事を解釈して行動すること」という意味を付け加えて、かつ第一の意味として掲載していただきたいものです。

公演中止となれば、様々な方面に損害が出るでしょう。金銭的・時間的な損害だけでなく、関係者一同の精神的な面もしかり。

このご時世、どこかで覚悟はしていたかもしれない。

それでも、中止は苦渋の決断だったことと推察します。

これが「身を切る」ということです。営業しないことが収益に直結するどの業種にも言えることです。

引くべきときに引く勇気を持つ。

現実と真摯に向き合う。

これこそが上に立つ者に不可欠な資質であり姿勢です。

観たかった。

でもしょうがない。

関係者の皆様の決断を支持します。そして感染者の方が軽症であることを祈ります。

だが、しょうがないでは済まされない、済ましてはいけないこともある。

今こそ、自分の頭と心で考えるときである。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」となってはいけない。

正しく憤る。

おかしいことはおかしいと言う。

それが民主主義ではないのだろうか。

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ちなみにこちら↓が『マタ・ハリ』のあらすじ。

1917年、第一次世界大戦の暗雲たれこめるヨーロッパ。オリエンタルな魅力と力強く美しいダンスで、パリ市民の心をとらえて放さないダンサーがいた。名は、マタ・ハリ。彼女の人気はヨーロッパ中におよび、戦時下であっても国境を越えて活動する自由を、手にしていた。その稀有な存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、彼女にフランスのスパイとなることを要求する。もし断れば、人生を賭けて隠してきた秘密を暴くことになる、そう、ほのめかしながら……。自らの過去に戻ることを恐れ、怯えるマタ。同じ頃、彼女は、偶然の出来事から運命の恋人に出会う。偵察機パイロットのアルマンは、彼女の孤独な心を揺らし、二人は、ともに美しい夜明けのパリを眺め、人生を語り合う。一方ラドゥーの執拗な要求は続き、一度だけスパイをつとめる決心をしたマタ。彼女の世話を続けてきた衣装係アンナの祈りの中、公演旅行でベルリンへ向かい、ドイツ将校ヴォン・ビッシング宅で、任務を無事遂行する。しかし、謀略はすでにマタ・ハリの想像を超えて進み、アルマンへの愛に目覚めた彼女の運命を、大きく歪めようとしていた…。

『マタ・ハリ』2021年公演公式ウェブサイトより

主役のマタ・ハリは、宝塚時代に名ダンサーとして名を馳せた柚希礼音さんと愛希れいかさんのWキャスト。作曲は『ジキルとハイド』や『スカーレット・ピンパーネル』などを手掛けたフランク・ワイルドホーン氏。

・・・観たかった。。(PД`q。)

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