~久々に~宝塚歌劇雪組公演『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』『Prayer~祈り~』(2025/11/25@宝塚大劇場)【観劇レポ/感想】

宝塚レポ

※本記事には広告が含まれています。

本記事には若干のネタバレを含みます。

こんにちは、しろこです。
またしても観劇からかなり(1ヶ月…)時間が経ってしまいました。。。仕事量と難易度が不公平すぎます(-“-#)

『まるかて。』開設から早5年。どこの馬の骨とも分からない者が書いているブログにいつも遊びに来てくださる皆様、ありがとうございます!

​2025年最後のレポは、宝塚歌劇雪組公演『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』『Prayer~祈り~』です☆

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『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』について

あらすじ

未だ生まれついた身分によって隔てられた階級社会の続く18世紀末イギリス……それは海を隔てたフランスで、まもなく革命が起きようという時代……平民でありながら、一代で財を築きあげた父親の意向で、ジョージ・ブランメルは本来であれば入学することなど叶わない名門校に入学する。
「息子の代で、なんとしてもブランメル家を上流階級に……」
幸運な偶然によって固く閉ざされた扉の向こう側を見た父親の、過剰なまでの階級への執着と野心は、やがて息子ジョージを蝕み、歪めていく。
大学へと進学したジョージは、上流階級ゆえにのうのうと生きる級友たちとは馴染めず、下町で知り合った恋人の女優ハリエットらと、“お高くとまった奴ら”が眉を顰めるような盛場に入り浸りながら野心を燻らせていた。

その美貌を妬む級友たちから密かにボー・ブランメル(美しきブランメル)と渾名されていたジョージは、彼を縛りつけてきた父の死を機に受け継いだ財産と、その美貌を武器に“ボー・ブランメル”として生き、人生を切り拓くことを決意する。そして、それは“下町生まれのジョージ”を捨てること、ハリエットをも含めた過去との訣別を意味していた……

“ボー・ブランメル”は洗練された身嗜みやファッション・センス、ウィットに富んだ言動で人々を魅了していく。ほどなく彼の噂を聞きつけたプリンス・オブ・ウェールズ(後のジョージ4世)と知己を得、その魅力でプリンスの心をも捉え、上流階級への仲間入りを果たす。シンプルながら清潔感と品格が滲み出るファッションと共に、まるで“王”のように社交界に君臨し、栄光を手にしたボー・ブランメルだったが、プリンスの新たな愛人となったハリエットとの予期せぬ再会をきっかけに、人生の歯車が狂い始め……

宝塚歌劇オフィシャルサイトより  

主な配役

ボー・ブランメル:朝美絢
平民出身の青年。本名はジョージ・ブライアン・ブランメル。その美貌とファッションセンス、言動で、社交界の注目の的となる。

ハリエット・ロビンソン:夢白あや
ボー・ブランメルのかつての恋人。現在はプリンス・オブ・ウェールズの愛人。

プリンス・オブ・ウェールズ:瀬央ゆりあ
イギリス皇太子。浪費家。

ウィリアム・ブランメル:諏訪さき
ボー・ブランメルの父。貴族社会に執心する。

ヘンリー・ピアポント:縣千
ボー・ブランメルの賭博仲間。

キャロライン皇太子妃:音彩唯
プリンス・オブ・ウェールズの妃。

全体を通しての感想

いつも拙ブログを読んでくださっている方はご存知と思いますが、私はこの演出家の作品があまり好きでは​ありません(苦笑)しかもオリジナル。2017年雪組公演の『ひかりふる路』はすごく好きだったけど、その後は・・・。

お好きな方、初っ端から爆弾発言ですみません(;´∀`)

で・も・ね。

今作『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』は、直近3作品の中ではズバ抜けて良かったと思います。
ズバ抜けて良くて、及第点ですが(笑)

『ひかりふる路』と同様、作曲家フランク・ワイルドホーン氏の力と、雪組生の力と、両方が組み合わさってのこと…かもしれないけど(ボソッ)。

「そのくだり、重要だと思うんですけど…」と思う部分が描かれてなかったんですよねぇ。。。ジョージがハリエットの前から突然姿を消した理由とか、とか。

父親の呪縛のシーンを少し減らして、姿を消した理由や、級友のピアポントたちに再会した時の様子を、一人語りや回想シーンとして入れてもよかったのでは? 後者にいたっては、あらすじでわざわざ「上流階級ゆえにのうのうと生きる級友たちとは馴染めず」と説明していたので、観ていて「何でつるんでるの?」となりました。

答えをあえて提示せず観客に委ねる、という手法ではなく、単に必要な部分が足りてない感じ。

これが私の中では結構致命的でした。他は良かった。『シャーロック・ホームズ』のレポでも書きましたが、この方、多分ミュージカルの演出は巧いんだと思います。

ただ、私の好みや着眼点はちょっと人とズレています(大いに自覚あり)。

それが証拠に、観劇後の帰り道や電車の中で、「眠たかった」「寝た」「単調」「面白くなかった」とお連れさんと話している人の多かったこと(^o^;)

『ボイルド~』や『ディミトリ』の帰りには、「面白かった」「泣けた」と感想を言い合っている人が多かったので、、、私の好みって一体、、、苦笑。

ま、まあそこは、「蓼食う虫も好き好き」なんて諺もありますから(;・∀・)

今作の副題は『~美しすぎた男~』

数年前から、日本人大好きな何とかの一つ覚えみたいに「〜すぎる」という表現をよく聞くようになりましたが、朝美さんだと説得力があり「すぎ」ます。アニメや漫画に出てきそうなぐらい整った顔してるもんなぁ。。。衣装さんたちが仕立てたも衣装も手伝って、立っているだけでため息が漏れそうになるほど美しい。

洗練された立ち居振る舞い、人を見下したような表情、辛辣な物言い、どれをとっても史実に残るボー・ブランメルその人でした。
(肖像画を見る限り、実際のブランメルは美男とは言えないんですけどね…。肖像画なら、何割増しかで描かれていそうなものなのに。。。)

平民と上流階級を隔てる「見えない壁」

父ウィリアムが壁の存在に気づいたことで、ブランメル親子の人生が変わってしまう。

200年以上経った現代でも、「見えない壁」はあらゆる場所に存在している気がします。

さて、拙ブログであまり登場する機会がなかった夢白さんですが、別にキライとかそういうのではありません。
夢白さんではなく、これまでの夢白さんの役があまり好きではなかったのです。

今作で退団の夢白さん。

最後の役、、、い、いい、、、☆

『ベルサイユのばら』の監獄でのシーンでも思いましたが、個人的に、夢白さんは陰のある役が似合うと思います(普段はめちゃくちゃ明るい方のようですが:笑)。

朝美さんも陰のある役や内に秘めた何かがある役が似合うので、ボー・ブランメルとハリエットがふと仮面の下の本心を見せる芝居なんてたまりません。

プリンス・オブ・ウェールズは瀬央ゆりあさん。意外な配役です。組内の順番でいえば、ボー・ブランメルと一番関わる男役だから順当な配役だけど、なんせ芝居で描かれるプリンス・オブ・ウェールズのイメージが…。

オツムの弱い(言い過ぎ?)浪費家の皇太子。

実際、今作でもそうでした。

瀬央さんの男臭い役が好きなんだよなぁ。。。と常日頃から思っている身としては、瀬央さんが演じるプリンス・オブ・ウェールズは新鮮ではあるものの、瀬央ゆりあを見たという気がしない(笑)

そ・れ・が。

ボー・ブランメルとハリエットの裏切りを知り、ヘラヘラナヨナヨしていたプリンス・オブ・ウェールズが激昂! 瀬央さんが激昂!! 瀬央ゆりあ、ここにあり!!
銀橋で披露する怒りに満ちた歌でニヤニヤが止まらず、拍手する手にも力が入りました(鼻息荒め)。

瀬央さん、違う、プリンス・オブ・ウェールズが激昂するきっかけとなったのが、タレコミ。タレコんだのは、かつてプリンス・オブ・ウェールズの寵愛を受け、現在寵愛を受けているハリエットを快く思っていないデボンシァ公爵夫人。

善人を装ってハリエットをいやらしく追い詰める未亡人です。

演じているのは拙ブログ初登場の華純沙那さん。

いやぁ、、、今まで何で存在に気が付かなかったんだろう、、、と思うほどの巧さ。初舞台は2020年というからさらに驚き。新人公演ではハリエット役だそうです。

キャロライン皇太子妃を演じるのは、拙ブログで度々登場の音彩唯さん。よく通る声で、台詞回しや声の使い分けが抜群に巧い。そして元専科の凪七瑠海さんに匹敵するお顔の小ささ。

初めて認識したのは2023年の『海辺のストルーエンセ』でした。次期トップ娘役、おめでとうございます!

度々登場するといえば、作曲家のフランク・ワイルドホーン氏を忘れてはいけません(笑)

どの登場人物の歌も、どのシーンの歌も、聴き応え抜群。特に、ボー・ブランメルとハリエットとプリンス・オブ・ウェールズが3人で歌う歌は絶品です(歌う側からしたら難しくてしゃーないでしょうが(^_^;))。

ハリエットの立場を守るため、あえてプリンス・オブ・ウェールズに辛辣な言葉を浴びせ、怒りの矛先を自分に向けさせようとするボー・ブランメル。

はじめは怒りに震えるものの、罵倒されてもブランメルを「友」と呼び、信じようとする皇太子。

豪華絢爛な夜会のシーンで、舞台上に演者は大勢いるにもかかわらず、重厚な二人芝居を見ているようでした。

ブランメルが自身の立場を失い、賭けの対象でなくなるやいなや、彼に「友ではない」と言い放つ級友たちとの対比になっていたのが効果的だったと思います。

ラストは、セットが横に避けられます。

舞台中央の何もない道を、ブランメルが舞台奥に向かって歩き、幕が下りる。

彼はこの後どうなったのか、想像を掻き立てるラストでした。

​『Prayer~祈り~』​について

全体を通しての感想

​オリエンタルな​雰囲気で始ま​り、世界各地の​様々な祈り​をモチーフにした場面が続きます。
テーマ曲はポップで疾走感があって覚えやすいので、帰り道でも頭の中でリフレインすること間違いなし!笑。

娘役さんたちの、表は濃青、裏地はターコイズブルーのドレスが、品がありながらも鮮やかでとても素敵☆ ​後半に着用している淡いくすみピンクのドレスも、裏地とのコントラストがキレイです。

​『アフリカ​の祈り』では、縣さんを中心とした皆さんが、大地を踏みしめ​るかのごとく裸足で踊​ります。

​続く『日本の祈り』では、星組パッションで鍛え上げられた(!?)エネルギッシュな瀬央さんの本領発揮! ソイヤッソイヤッ!!

これまで何度も書いていますが、客席下りがある時の2階席の疎外感たるや、ハンパない。

でも、今回は(多分)下級生の数名が2階席まで来てくれました!

ステージを見ていたら、通路を普通に歩いてくる人が視界に入り、「途中退席するなら、せめて申し訳程度でもいいからかがみなさいよ…」と思ってたら、まさかのジェンヌさんでした(笑)

通路(横方向)を挟んで1列目の席だったので、すぐそこにいて、アイコンタクトもハイタッチもしてくれて、、、涙と鼻水が出てきた。。(T_T)(疲れてんなぁ、私)。

なんだろう、あのキラキラ感。。。めちゃくちゃ元気をくれたあの時の彼(男役さん)、ありがとう。。。

​この『日本の祈り』、中詰とはいえ、すっごく長いです。

​そして、すっごく長い『日本の祈り』の後は、すごく長い韓国の祈り(『海への祈り』)です。

Kポップを思わせる韓国風の場面は時々ありますが、時代物で、かつここまで長尺の場面は初めてです(時代物は、月組『PHOENIX RISING』でもありました)。

大階段​の男役群舞​は黒燕尾で。フォーメーション​が凝っていて見応え抜群♪

​朝美さんと夢白さんの最後のデュエットダンス​は、最後​の銀橋で​の演出(手の甲に​チュッ)にキャー(*ノェノ)となりました。

​大羽根を背負って大階段を下りてくる朝美さんを​、満面の笑みで見つめる瀬央さん​も印象的(^^) 幕が下りる時の手の振りが誰よりも激し​いのでご注目ください(笑)

『まるかて。』2025年最後のレポは、宝塚歌劇雪組公演『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』『Prayer~祈り~』​でした(芝居のほうの感想がこんなに長くなるとは自分でも意外でした(ーー;))。

​今年も読んでくださりありがとうございました!
よろしければ来年も遊びにきてくださいね~☆

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