【ネタバレ注意/ライブレポ】葉加瀬太郎オーケストラコンサート2021『The Symphonic Sessions』(2021/8/22@フェスティバルホール)

ライブレポ

本記事にはセットリストなどのネタバレを含みます。

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※本記事は2021年のオーケストラコンサートの模様です。2022年のライブレポはこちら↓からどうぞ。

※『2021年SONGBOOKツアー』についてはこちら↓からどうぞ。

2021年8月22日、葉加瀬太郎オーケストラコンサート2021『The Symphonic Sessions』(@大阪・フェスティバルホール)に行ってまいりました。

『葉加瀬太郎オーケストラコンサート2020』と書かれた、2020年4月24日のチケットを持って・・・。

こんにちは、しろこです。

2020年4月24日のチケットで、2021年8月22日のコンサートに行く。

さすがに、「ほんまにこれ、有効なんやんなぁ・・・?」と、若干ドキドキしながら改札に行きました(;・∀・)

無事入れました(笑)

今回の公演は、2020年4月24日の再々々々延期公演。

2020年4月24日(当初)

2020年7月24日(延期公演)

2021年5月2日(再延期公演)

2021年6月12日(再々延期公演)

2021年7月3日(再々々延期公演)

2021年8月22日(再々々々延期公演)

・・・と、いや、ほんと、よく中止にならなかったなと思います(中止になった公演もあります(T_T))。

単純に感染状況だけ考えると、最初に演ってよかったんじゃないかと思うけど、それは今だから言えること。スケジュールの面でもお金の面でも精神的な面でも、本当に大変だったと思います。2021/7/3の再々々延期公演は、葉加瀬さん自身が感染して、公演数日前に突然キャンセルになりましたしね。

フェスティバルホールの改札は2階。

改札があるフロアに上がったら、まず半券の裏に名前と電話番号を書きます。記入台と鉛筆は用意されていますが、あらかじめ書いておいてもいいと思います。

改札は3段階に分かれていました。
(※フェスティバルホールは収容人数2,700人の大ホールで、ロビーもかなり広いので、これができるのかもしれません)

1つ目の改札:チケットの日時と、名前と電話番号が書かれているかのチェック。
2つ目の改札:検温と手指消毒。アルコールは係の人が噴霧してくれます。
3つ目の改札:再度チケットの日時をチェック。係の人の指示があってから、自分で半券を切り取ってカゴに入れます。

会場内は、全体的にはわりとおとなしめ、、、に感じられました。ただ、不幸にも私の周りにマナーが悪い人々が集中していて、かなり不愉快でした。それこそ、演奏中ですら喋るとか、スマホの受信音が鳴るとか。

以下、セットリストなどのネタバレを含みます。

【開演 16:30】

<第1部>
Symphonic Another Sky
交響詩「希望」Symphonic Poem “Hope”
 第一楽章 序曲
 第二楽章 賢者の行進
 第三楽章 ロード・オブ・ホープ
 第四楽章 ロード・オブ・ホープ~リフレイン
新日本紀行
瑞風
流転の王妃・最後の皇弟 メインテーマ

【休憩 20分】

<第2部>
ひまわり
Moon River
トルコ風コンチェルト
ロマンス
WITH ONE WISH
リベルタンゴ
情熱大陸2018~Full Orchestra Ver.~

<アンコール>
Legacy

【終演 18:50】

まずオーケストラの皆さんが登場。

続いてバックバンド(ドラム、ベース、ギター、シンセ)の皆さん(というわけで、本公演は純粋なオーケストラコンサートではありません)。

それから、ピアノの羽毛田さんと、ローランド風の見たことのない金髪のおにーさん。「誰?」と思ったら指揮者(水野蒼生さん)でした。

最後に、いつもと同じ満面の笑みをたたえた葉加瀬さんが登場。衣装はグレーがかった黒の燕尾服。白と青のストライプ柄の裏地がオシャレです。

1曲目はお馴染みの『Another Sky』。
ANAの機内でかかっている曲です。搭乗したことがない方でも、どこかで一度は耳にしたことがあるかもしれません。こころなしか、いつものバンド編成で演奏するよりスローテンポだった気がしました。オーケストラが入って、いつもより縦横両方に広がる優雅なアレンジに仕上がっていました。

トークの第一声は「お待たせ」

拍手が降り注ぎます。

今回のフェスティバルホールでの公演が、オーケストラコンサートツアーの千秋楽だったようです。

「1年以上もチケットを持って待っててくれたんだなと思うと・・・」と、感激もひとしおのご様子でした。待ってましたとも(´;ω;`)

ご自身が感染した話にもなりました。葉加瀬さんの場合は、4日ぐらい微熱が続いて、ちょっと風邪ひいたかな?くらいの症状で済んだそうです(これを聞いて、諸々軽視する人が増えなきゃいいけど(-“-;))。

登場した瞬間、「スリムになってる!」と思ったので心配しましたが、一安心。スリムになったのは、ツアー恒例の公演ごとの打ち上げ(飲み食い)をしていないからでしょうね、きっと(笑)そういえば、昔、葉加瀬バンドでピアニストを務めていたマチェック・ヤナスさんが、1回のツアーで7kg太ったと言っていたなぁ。どんだけ(・.・;)

「今日はオーケストラの音のうねりを感じていただきたい」

やはり生でなければ、音のうねりは感じられません(><)

続いては、ファイナルファンタジーXIIの劇中曲(と言うのか?)『交響詩「希望」』。
以前トークで、ゲームをクリアしないと流れない、と言っていたように思います。自分で作ったのに、演奏するのが難しい曲、とも。

ゲーム音楽にオーケストレーションを取り入れたのは、おそらくドラゴンクエストシリーズで有名なすぎやまこういち氏じゃないかな。

私は全くゲームはしませんが、なんとなくつけていたTVで「お、なんだこの曲!」と思って画面を見ると、ゲームのCMであることが時々あります。ゲームを知らなくても、そこで使われている音楽が、ひとつの作品としてその世界観を確立しているんですよね。オーケストレーションの醍醐味です。

収録が入っていた東京公演で演奏したときは、ちょっと間違えたそう(あくまでも本人と一部のミュージシャンにしかわからない程度のミスでしょうが)。

「今日はめちゃくちゃ良かった。差し替えできないかな?あ、今日はカメラ入ってないなぁ。。」と、冗談とは思えない発言。

東京公演の模様は、BS朝日で放送予定だそうです。「画面を見ながら、音は今日聴いたのを思い出してください」と、真面目にお願いしてました。

葉加瀬さんはフェスティバルホールが大好き。フェスティバルホールでの公演のときは、かなりの確率で、「お小遣いをためて初めて自分でチケットを取ってコンサートに行ったのが旧フェスティバルホール。そこ(と言って、最前列ど真ん中を指差す)で観ました」とお話しされます(それで、自分もフェスのど真ん中に立って演奏するようになったんだから、すごいよなぁ。。)。

この日はいつも以上にフェスティバルホール愛が溢れていて、急にしみじみ「全国ツアーを全部ここ(フェス)でやりたい」と言い出す始末(笑)自分でもおかしいと思ったのか、「それははたして全国ツアーなのか。全国からお客さんにフェスへ来てもらって、お客さんが全国ツアーで」と、舌好調でした(^o^)

恒例の物販アピールも、若干控えめなトーンながらも笑いを取ることも忘れずに行われました。

今回一番アピールしたのは、グッズではなくCD。今回のツアーで演奏している曲たちを収録した『The Symphonic Sessions』について。

「しこたま持ってきてますから。2020年のツアー会場で販売予定だったんですけど、コンサートができなかったでしょう。倉庫に在庫が・・・゚∀゚`)チラッ」

この話・・・デ、デジャブ(@_@;)

また、グッズ選びに悩んでいたら売場が密になる。だったら、と思って今回用意したのが、その名も『はかセット』。全てのグッズとThe Symphonic Sessionsが入っているそうです。商売人め(笑)物販コーナーは見なかったけど、いくらだったんだろう(^_^;)

昭和38年から57年にかけてNHKで放送され、冨田勲氏が作曲を手掛けた『新日本紀行』のテーマ曲、トワイライトエクスプレス瑞風のためにつくった『瑞風』に続いて、1部のラストは『流転の王妃・最後の皇弟 メインテーマ

ラストエンペラーと言われた愛新覚羅溥儀の実弟・溥傑と、その下へ嫁いだ嵯峨公爵家の令嬢・浩(ひろ)の苦難の人生を描いた、テレビ朝日開局45周年記念ドラマ『流転の王妃・最後の皇弟』のテーマ曲。

曲紹介の中で、「時代背景からもわかると思いますが、暗い曲です。曲が終わって拍手するのも迷うような。はたしてこれを1部のラストに持ってくるのはどうなのか。とても休憩中にTARO KITTYを買う気分にはなれない」と、珍しいコメントでした。

あえてTARO KITTYの話を入れたのはご愛嬌(^^) あと、自身のYou Tube、Instagram、Twitter、Facebook、LINEの宣伝も忘れちゃいません。「皆さん、休憩中はやることいっぱいあるから忙しいですよ」と客席を一旦なごませて、物語の世界へ。

まさにオーケストラで演奏する用に書いた曲、大曲です。自分の周りを曲が包むのではなく、曲の中に自分が入り込んでいくような感じ。暗いといえば暗いけど、私はこういうタイプの曲、胸をえぐられるような、抗いようのない運命の渦に巻き込まれるような、内からこみ上げてくるものを感じる曲、大好きです。

人生で初めて、曲を聴いてそんな感覚を覚えたのは、ヘンリー・マンシーニの『ひまわり』でした。私の場合、曲がきっかけとなって、その曲が使われている映画やミュージカルを観ることが結構あります。『マリー・アントワネット』も、曲を知ったのが先でした。

20分間の休憩を挟んで、2部はライトグレーの燕尾服で。裏地はライトグレーと色味を抑えた赤のストライプ。裏地に手が込んでいるのは、いいモノの証拠です(笑)

「なんでこいつ、裏地のことまで言うんだ?裏地マニアか?」と思ったアナタ(*・・)σ

違います。裏地まではっきり見えるぐらいの、ほぼ最前列のほぼ中央というとんでもない席だったんです。ずっとステージを見上げる状態だったので、首が死にました。近すぎてオケの皆さんはほとんど見えず(*_*;

2部の1曲目は、こちらもお馴染みの『ひまわり』。
先ほど言ったヘンリー・マンシーニの『ひまわり』ではなく、2010年秋~2011年春に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説『てっぱん』のために葉加瀬さんが作曲した『ひまわり』です。

それから、『ティファニーで朝食を』のテーマ『Moon River』。
もともとこの映画の主演は、音域の広いマリリン・モンローの予定だったそうですが、彼女が下りたため新人だったオードリーが抜擢されたとのこと。音域が狭いオードリーが歌えるように、ヘンリー・マンシーニが限られた音域でつくった曲だそうです。

続いての『トルコ風コンチェルト』と『ロマンス』。
前者はモーツァルト、後者はベートーヴェン作曲。『トルコ風コンチェルト』はディスコ調、『ロマンス』はキューバンにアレンジされていました。うっそーん(;´Д`)

『トルコ風コンチェルト』をディスコ調は・・・まあ、うん、アリかな、と思いましたが、『ロマンス』をキューバン・・・衝撃でした(・.・;)

聴きながら、モーツァルトもベートーヴェンも、まさか200年後にこんなアレンジがなされるとは夢にも思わなかっただろうなぁ・・・と思っていたら、演奏後に「墓の下で『違う”~!!』って言うてるかな。いや、話せばわかってくれると思う」とご自身でもおっしゃっていました。だよね(笑)

WITH ONE WISH』はオーボエ奏者の最上峰行さんをフィーチャーして。
オケの席から下りてきた最上さん。葉加瀬さんをそのまま一回り小さくしたような外見でした(笑)ツアーファイナルの関西3公演に備えて、追いパーマをしたそう。

通常、オーボエは黒ですが、『WITH ONE WISH』の共演で披露したのは透明のオーボエ!何製なんだろう?「経費で落ちるから、奥さんに怒られないで済むね」と、葉加瀬さんにいじられていました。

私の中で長らく、オーボエ奏者といえば宮本文昭さんだったのですが、覚えました、最上峰行さん。郷愁を誘う温かくてやさしい音色でした(*^^*)

本編ラスト2曲は、おそらく知らない人はいないであろう『リベルタンゴ』と『情熱大陸』。
『リベルタンゴ』は、うーん、残念。アレンジが私好みじゃなかった。本来はめちゃくちゃ好きな曲(そもそもタンゴが好き)なんだけど、私の中では「個性の強い奏者の『個』がぶつかり合う」という、鋭いイメージがある曲。基本的にオーケストラはセクションごとのまとまりがあるので、個は・・・ぶつかり合わないですからねぇ。この曲は、オーケストラが得意な横への広がりではなく、縦に突き刺さる感じが好きです。

『情熱大陸』も、皆さんのイメージにある『情熱大陸』ではなく、オーケストラ用のアレンジ。それでも、オケのセクションごとのソロ回しがあったり、バンドメンバーの鮮烈なソロ(特に『ナギ』こと大島俊一さんのソプラノサックスソロはいつ聴いても圧巻)があったり、あのサビがそのままあったり(そりゃそうだ)、オケ用にアレンジされていても、情熱大陸は情熱大陸でした。よっ!これぞ葉加瀬太郎の代名詞!

アンコールは『Legacy』。
パラリンピックのためにつくった曲だそうです。「もう結構テレビで流れている」とのことでしたが、最近ほとんどテレビ見てないから知りませんでした(;´∀`)

アンコール曲演奏前のトークの一番最後は、

「また会いましょう」

葉加瀬さんとは思えぬ消え入りそうな声で、涙ぐんでおられました。

長い道のりでしたが、ツアーファイナルおめでとうございました!もちろん、また会いに行きます!

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