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珍しく何の期待もせずに行った今年の宝塚納め。
ところが・・・!
こんにちは、しろこです。
宝塚納めといっても、生観劇が、のお話。本当の宝塚納めは、12/26の星組『柳生忍法帖』千秋楽ライブ配信の予定。ううっ、愛ちゃん。。(ノД`)シクシク
「珍しく何の期待もせずに行った」というのは、ですね、ひとえに公演案内のチラシのせい(笑)
チラシの裏に書かれているあらすじを見てびっくり。
字、小さっ!!
そう、小さい字でびっしりとあらすじが書かれていたのです。粗い筋とは思えぬ文章量。人名の長さで文字数を食ってる部分もあるとはいえ、あらすじをある程度詳細に書かないと芝居の世界観がわからない作品なのか・・・しかもオリジナル・・・。
なのに、公式サイトで告知された上演時間がいつもより10分短い(通常の芝居は1時間35分、今作は1時間25分)。芝居の時間が長いとか、3本立てで芝居の時間が短いとかは過去にあったけど、2本立てで芝居の時間が短いって、記憶にないんですが・・・。
え、なに、この『捨て駒』感 (@_@;) メインはレビューなのか。。
というわけで、いろんな意味で「どんなかな~」と様子をうかがう心持ちで観劇しました。
期待値の低さが功を奏したのかどうかはわかりませんが、期待、裏切られました!
賛否両論はっきりしそうな作品ではあったけど、個人的には『シャーロック・ホームズ』や『柳生忍法帖』よりずっと面白かったです。
下手に原作を意識しすぎてないというか。まぁ、タイトルからして『元禄バロックロック』ですしね。あらすじを読まない限り、『忠臣蔵』の片鱗も感じない(笑)
この世界観にうまく入り込むことができれば、意外と(失礼な^^;)見ごたえのある作品です。入り込めないと、かなり疲れるかもしれません。緩急はついているけど、基本シッチャカメッチャカなので(苦笑)
『元禄バロックロック』について
参考情報
あらすじ
花咲き乱れる国際都市・エド。そこに暮らす元赤穂藩士の時計職人クロノスケは、元来、優しく真面目な性格であったが、時を戻せる時計を発明したことで人生が一変する。時計を利用して博打で大儲け、我が世の春を謳歌する。しかし、女性関係のこととなるとなぜか時計が作動せず上手くいかない。その様子を見ながら妖しく微笑む賭場の主。名をキラという。キラの美しさの虜となったクロノスケだが、次第に彼女に懐かしさを覚えるようになる。ある日、賭場で遊んでいたクロノスケは、元赤穂藩家老のクラノスケと再会する。忠義など忘れたかのように振る舞うクラノスケであったが、幕府で権勢を振るうコズケノスケとの遺恨により切腹した主君タクミノカミの無念を晴らすため、水面下で仇討ちの計画を進めていた。クロノスケに協力を仰ぐクラノスケは、コウズケノスケにキラという名の隠し子がいるらしいと告げる。敵同士と知りながら、自分に近づくキラの目的は何なのか。そのキラに懐かしさを覚えるのはなぜなのか。時を戻せる時計が刻んできたものは、一体何だったのかーーー。
主な配役
クロノスケ:柚香光
赤穂藩出身の時計職人。時を戻せる時計を発明する。
キラ:星風まどか
エドの賭場ラッキーこいこいの主。コウズケノスケの隠し子。
コウズケノスケ:水美舞斗
エド幕府重臣。ツナヨシの命を受け、時を戻せる時計の完成を急ぐ。
クラノスケ:永久輝せあ
元赤穂藩家老。
ツナヨシ:音くり寿
少年将軍。
タクミノカミ:聖乃あすか
元赤穂藩主。エド城内でコウズケノスケに斬りかかった責を負い、切腹した。
全体を通しての感想
ひと言で表すなら、めでたしめでたしの壮大なおとぎ話。終始わちゃわちゃしていますが、泣ける部分もあるし、笑いもある。芝居で手拍子も起こります。お正月公演に良さそう・・・って、そうか、東京公演はちょうどお正月公演になりますね!
ポスターの雰囲気(派手な着物状の衣装をまとった、退廃的な雰囲気の柚香さんと星風さん)からも何となくわかるように、タイトルに『元禄』とついてはいますが、れっきとした時代物ではありません。時代物と思って見始めると、衣装、台詞回し、曲、と、どれを取ってもお口あんぐりになります(^o^;) 特に台詞は、横文字も入ってます(笑)
でも、殺陣はかなり本格的。
特に、終盤の吉良邸討ち入りのシーンは見逃せませんよ!
クロノスケとキラの後ろで、赤穂藩士たちが一人殺陣をやります(相手はおらず、一人芝居で戦っているように見せる)。
斬る芝居は、相手がいなくても斬れると思うんです。時代劇でも、斬られ役が上手いと斬る役が引き立つっていうぐらいだから、斬る側より斬られる側に技術がいる。斬られ役といえば福本清三さん。
見ものは、太刀をかわしたり、相手の太刀を受けて耐えている芝居。一人芝居なのに、ちゃんと相手が見えるような芝居でした。誰が演じていたかわからなかったのが残念ですが、それぞれが臨場感ある一人殺陣を披露しています。
どうしても、前で芝居している柚香さんと星風さんに目がいってしまうと思います。でもこのシーンは、後ろで奮闘している赤穂藩士にぜひ注目していただきたいっ!!
そして、事あるごとに観劇レポでも書いている水美さん・・・の体幹について(笑)
コウズケノスケにも、少しですが殺陣のシーンがあります。もちろん相手は、永久輝さん演じるクラノスケ。
クラノスケの手数が多くて、終始クラノスケが押すんですけど・・・コウズケノスケの体重を落とした身のこなし(=水美さんの体幹の強さ)が鮮やかすぎて、「これ、絶対コウズケノスケの方が強いよね・・・」って思っちゃいました(^_^;) きっと意識してのことではないと思いますが、水美さん、ここは体幹を使わないことを意識して(笑)
宙組で真風涼帆さんの相手役を務めていた星風さんは、これが花組トップ娘役としての大劇場お披露目。真風さんとのカップルも良かったけど、柚香さんとのカップルもお似合いです。
私の勝手な印象ですが、真風さんとは縦に並んでついていく感じ、柚香さんとは横に並んで一緒に進む感じ・・・かな。なんとなくツーショットのときの雰囲気が。
配信制度ができたおかげで虜になった柚香さんの魅力。向かい合っての芝居のときに魅せる、温かくて優しい眼差しと醸し出す空気、そして繊細な表情。本作でも魅せてくれました。2階席から見ていても、なんて素敵な空気なんだろう。。(〃ω〃)ポッ。とキュンキュンしました♡
ツナヨシは娘役の音くり寿さんが演じます。犬に囲まれ、将軍とは名ばかりの軽さとバカっぽさを遺憾なく発揮します。音さんが演じるだけあって、軽さとバカっぽさにも上手さが出てます!
このツナヨシ君、最後にクラノスケとコウズケノスケに沙汰を出します。
いさかいを起こしたクラノスケとコウズケノスケへの罰。
『力を合わせよ』
クラノスケの忠義の心、コウズケノスケの才覚、どちらもこの国になくてはならないものだ。憎み合う者同士が協力することがそなたたちにとっての何よりの罰だ、と。
いいとこ持ってったね、ツナヨシ。ごめんね、軽くてバカなんて思って(;^ω^)
キラが異質な存在であることは、物語の序盤で察しがつきます。時を超えて来たんだろうというのは、何となく見当がつきました。
でも、時の超え方が意外と近かった(笑)もっと、『JINー仁ー』とか『天は赤い河のほとり』みたいな、何十年、何百年のスケールで超えてきたのかと思ってました(^o^;)
上演時間は短いし、わちゃわちゃしてるし、忠臣蔵の要素が入ってるし、オリジナルだし、この話、一体どう回収するんだろう・・・と思いながら中盤ぐらいまで観ていました。
それを、見事に回収。まさに、めでたしめでたし。『捨て駒感』なんて思ってすみません(ジャンピング土下座m(__)mm(__)mm(__)m)。
演出家の谷貴也氏、大劇場公演の演出を手掛けるのは今作が初めてとのこと。外箱公演で手応えをつかんで抜擢されたのでしょうか。
『元禄バロックロック』、大劇場での新たなチャレンジと言っていい作品だと思いました(←誰?)。
ほんっとーーーに賛否両論ある作品だと思います。でも、この壮大なおとぎ話、私は「アリ」に1票です!
『The Fascination!ー花組誕生100周年 そして未来へー』
全体を通しての感想
こちらはひと言で表すと、盛りだくさん。良くも悪くも盛りだくさん^^; 全編を通して、手の込んだ豪華な映像が多く使われています。
幕開きは男役、娘役ともにピンクの衣装の群舞。まさに花組という雰囲気で一気にワクワク最高潮!
華やかな群舞の後は、水美さんを中心としたダークスーツ+ソフト帽+手には一輪の薔薇でキメた男役と、セクシーな紫のドレスでキメた娘役。こちらはワクワクではなく、ゾワゾワ(笑)アダルトなナンバーは男役も娘役もかっこいい!
そして、柚香さんが食虫花を体現する幻想的かつ魅惑的なシーンへ。
袖はあるけど、振りによって肘から先が出る衣装で、腕と指の美しさが際立っていました。腕のスジがたまらない・・・いかん、めちゃくちゃ変態発言だ(大汗)彼女のダンスは、一回転や腕のひと振りだけで引き込まれるんですよねー。振り数がどんなに多くても軽やかだし、振り数が少ないときは羽が生えてるんじゃないかと思うぐらい伸びやかだし。
中詰は怒涛の花組メドレー。
・・・といっても、帰ってプログラムを読むまで、過去に花組で上演したレビューの代表的なナンバーのメドレーだとは知りませんでした。わかったのは『Exciter!!』だけ。その他はおそらく、かーなーりー昔のものかと(^_^;)
でも、見ているときに気がつかなかったということは、何十年経っても色褪せていないということでしょう。
レビューの副題は『花組誕生100周年 そして未来へ』
これを見て、「あれ?たしか数年前に100周年記念行事をしていたような・・・」と思いました。
設立当初は『組』はなかったのが、公演数と生徒数の増加により花組と月組の2つの組ができ、そこから100年とのことです。100年ってサラッと言いますけど、明治維新から50年しか経ってない時代に設立したということか・・・。
中詰のラストは、優波慧さんが娘役を引き連れて銀橋ソロ!
ついに銀橋ソロ!おめでとう!と思っていたのですが・・・今作で退団なんですね。。歌が上手いの、この時知りました(すみません。。もっと早くからいっぱい歌う場面あげてほしかったよ。。)。芝居も安定しているし、『元禄バロックロック』でも出番多かったし、学年が上の人が退団するのは特別ファンじゃなくても切ないなぁ。。
静けさが戻った舞台上で、高翔みず希さんが花組誕生100周年についてナレーションし、次のシーンを紹介します(高翔さんは本公演後、専科に異動されます(T_T))。
登場したのは真っ白な衣装に身を包んだ聖乃あすかさん。と、舞台の背面をまるまる使ったピアノのセット!こんなの見たことない!!そんな大きさだから、鍵盤の位置は端っこ。せっかくの大きなソロなのに、鍵盤のある位置で歌い踊る聖乃さん(;_;)
しかし、ピアノの蓋の部分が上がり、ラインダンス組が登場。下級生たちを従え、聖乃さんがセンターで踊ります。銀橋をこわごわと渡っていた人が、こんなシーンを担うまでに大きくなったなんて。。←おかんの心境。
今回のラインダンスは、いつものようにリズミカルに足を上げる振りではなく、力強く蹴り上げる感じ。ラインになってのダンスであることには違いないけど、THE・ラインダンスという感じではありませんでした。私はいつものラインダンスが好きです。ラインダンス見たー!って思うようなのが(笑)
このピアノをモチーフにしたシーン、いつ上演されたものかはわかりませんが、革新的で鑑賞者の度肝を抜いたことは間違いないでしょう。衣装のきらびやかさや舞台機構のスケール、そして何といっても演者のスタイルはこの100年で大きく変わったと思います。でも、当時、誰も見たことがないものをまっさらな状態から生み出した小林一三氏って、とんでもない人だったんだろうなと思います。
ラインダンスの後は、『心の翼』というシーン。
聖乃さんと同じ真っ白な衣装に身を包んだ面々の大合唱。全員の真っ直ぐで強い想いが伝わってきて、胸が熱くなりました。やっぱり、想いとか気ってちゃんと伝わるんですよね(><)
その後、また静けさが戻り、『エーデルワイス』の歌い継ぎへ。
なんとなんと、羽立光来さんと和海しょうさんが銀橋でソロ歌い継ぎをっ!!ついに花組の陰の功労者にスポットライトが当たった!!ファンの人はめちゃくちゃ嬉しかったんじゃないかしら^^
余談ですが、羽立光来さんは香川県ご出身(しろこも香川出身)。名前の『羽立(はりゅう)』について、『羽立峠から取った』という話を聞いて以来、密かに応援しています。羽立峠、うちの実家の近所にあるんです。勝手に親近感(笑)
途中(時系列が定かではありません^^;)、音さんを中心としたドレス姿の娘役が銀橋から花道にかけてズラッと並ぶ演出があります。男役が並ぶ演出は時々ありますが、娘役でこの演出は新鮮でした。大勢並んでも全く埋もれない音さんのパンチ力はさすがです!
そして大階段が姿を表し、トップ以下、スパンコールのないシンプルな黒燕尾での群舞へ。柚香さんと水美さんはダンスの持ち味が違うから、2人で同じ振りで踊っていても、見え方が全然違います。
でー、
やっとデュエットダンスへ。
長いね(苦笑)
いつもの「え、もうデュエットダンス?もう終わっちゃうの。。( TДT)」ぐらいがちょうどいいんだと思いました。心なしかデュエットダンス自体は短かった気がします。演者も相当キツいんじゃないかなぁ、芝居の方もテンション高いし。。食べ放題でもね、もうちょっと食べられるけど、この辺でやめておこうぐらいが一番じゃないですか。もうお腹パンパンです(;´∀`)
演る側も観る側も、おつかれさまです!
柚香さんの大劇場お披露目公演だった『はいからさんが通る』は中止・再開・中止。華さん、瀬戸かずやさんの退団公演だった『アウグストゥス』は途中中止。公演数や節目だけでいうと、コロナによって最も憂き目に遭ったのが花組だったのではないでしょうか。三度目の正直。今回こそ完走できますように!
今年の宝塚(生観劇)納めが早々と終わってしまいました。。来年の宝塚始めまで約3ヶ月。。長い。。(今回は初日明けてすぐ、次回は千秋楽近くのチケットが取れたので)
宝塚さん、今年も明日への活力をたくさんありがとうございました。来年もよろしくお願いします(o゚▽゚)oニパッ!! 劇場に人が戻っても、配信は今後もぜひ続けてくださいね~♪
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